27,生きる
必死に
ユキの呼吸が
そもそも、此処が
急がねば、ユキの呼吸がもうほんの
『
「っ⁉」
反射的に、脳内から聞こえた声に
しかし、安堵する
そんな後悔を抱えて、俺は
そんなものを抱えて、俺は生きる事が出来ない。どんな
理解した。俺は
「クロノ、お前無事だったか‼」
「話している暇はない!ユキが、ユキが俺を
ユキの状態を確認し、ヤスミチさん達は血相を変えた。どうやら、状況を理解したらしい。エリカとアキトが歯を食い縛る。二人も
「くそっ、
ヤスミチさんに
それでも、彼女の事が心配なのか俺はちっとも落ち着けなかった。どうすれば良いのか?彼女の為に、俺は何が出来る?俺に出来る事は無いのか?
それだけが、俺の
焦りが、徐々に
しばらく、俺は建物の前で焦りと怒りを
ああ、分かっているさ。俺に出来る事など、今は無い。でも、それでも……
それでも、俺はユキを失うのが
……やがて、建物の中からツルギが出てきた。その表情は、
俺もかなり焦っているらしい。その表情に、焦りが増大する。
「ユキは?ユキの
「
「なら―――」
俺の言葉を
ツルギの
「血液型が合わない。彼女の血液型は、rh-のAB型だ。合う血液型がねえよ」
AB型。それもrh-のAB型はかなり
数の
「それに、かなり大量に血液を失っている。間違いなく致死量ギリギリを輸血する事になるだろう」
そう告げた二人に、俺は声を荒げるように言った。自分でも驚く程の大声だった。
「っ、なら俺の血液を使ってくれ‼俺も、
「っ、何だって⁉」
「本気か⁉ギリギリまで血を
驚愕するヤスミチさんと
やがて、静かに溜息を吐いてツルギは言った。
「……来い、こっちだ」
「……………………」
黙って一緒に付いてゆく。建物の中に入り、
しかし、顔色は相変わらず悪い。当然だ、血液がかなり不足しているのだから。だからこそ俺が足りない血液を彼女に提供する必要がある。今度は、俺が彼女を救う番だろう。
そっと、彼女の頬に手を添える。胸が締め付けられるように痛む。
「
「ああ、もう一度聞くが良いんだな?」
「構わない」
そして、俺も隣に用意されたベッドに
視界がぼやけ、やがて考える事すらままならなくなってゆき……
意識が
思えば、会って間もない頃。彼女に対し俺はかなり
俺は
俺の英雄願望は、それが
思えば、俺はもっと前に。一度だけ……
…………俺の意識は、暗い
・・・ ・・・ ・・・
俺と少女の会話は、どこかちぐはぐだった気がしないでもない。何故なら、当時の俺は幼少の子供らしい
そんな俺の言葉を、少女はさも世界の
ああ、そうだ。俺はあの時、あの日既に、彼女と。
ユキと……
思い出す。俺は、全てを思い出す。彼女との出会いを、彼女との
・・・ ・・・ ・・・
「…………んっ。
目を
とすれば、此処は
意識がはっきりしてきた。そして、やがて思い出してくる。意識を失う前、何があったのか。その
そうだ、私はオロチの攻撃からクロノ君を
「っ⁉クロノ君‼」
「よう、
勢いよく起き上がった、その瞬間。隣から聞こえてきた声。その方向を見ると、其処にはクロノ君の姿が。隣に
そして、私の血液はかなり希少なタイプだった筈だ。同じ血液型の人がそう居る筈もない。
なら、その血は
「えっと、クロノ君……もしかして?」
問い掛けるが、クロノ君は青白い顔で笑みを向けるのみ。引き
しかし、私は察した。どうやら、クロノ君は私に血を
何故?そう聞こうとしたが、それをクロノ君に
「
「っ、でも……」
「俺からすれば、お前を失いたくはなかったんだ。もう、これ以上俺の
「…………」
その言葉に、私の
しかし、同時にこれは私が甘んじて受けるべき痛みだろうとも思う。
何故なら、彼の大切なモノを
彼の大切なモノを
思い出す。かつての
炎に
彼等は言った。どうか息子を
私は
私は、星のアバターは。白川ユキとして永遠に罪を償い続ける
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