23,災厄の日
必死に
恐らく、クロノ君は
オロチの力は強大だ。その力の前には、
急がねば、急がねば、急がねば。焦りが目立って
火柱と大嵐は更に激しさを
と、そうこうしている内にひと際巨大な大嵐が発生した。それはまさしく、この旧日本を一撃で
その大嵐が発生した後、シンと静まり返る。あまりにも不気味な静寂。その静寂に私は嫌な予感を覚え、急いで現場に
其処は、
火柱によりガラス化した大地。大嵐により周囲の大地ごと
その周囲には、怪物種の
だが、当然それだけではない。
戦場の中央に突き立った一振りの
そしてそして…………ガラス化した大地を
その赤の正体は、そう……
「い、いや。
私は、思わず
クロノ君の、
「いやあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ‼‼‼」
・・・ ・・・ ・・・
———時は、少しだけ遡る。
一体何匹ほど
恐らくは、怪蛇の
オロチが起こしたのであろう、大嵐の中を駆け抜けながら。俺は炎の出力を、意思の力を上昇させてゆく。意思を燃焼させて戦う。
刀身に渦巻く炎は、徐々に熱を
でなければ、敗北は必至だと俺は知っている。そう、俺は悟っているから。
此処で俺が死ねば、集落の
父さん、母さん、どうか俺に力を貸してくれ!俺に、皆を守れるだけの力を!
だから、俺は意思の力を
まだまだまだまだ、まだこれ以上。もっともっと、遥か高みへと!
際限なく高まる炎の
それは頂点に立つ者の
「ふん、所詮はこの
瞬間、まさしくその瞬間。この旧日本を
巨大竜巻。激しく叩き付ける局地的豪雨。強烈な
俺の根性論など嘲笑うかのように、大嵐は俺を
気付けば、俺は満身創痍で地面に横たわっていた。刀は根本から折れ、身体はもはやぴくりとも動かない。
「俺の、
「そうだ、貴様の
そう言い、俺へと近付くオロチ。その表情には、相変わらず余裕が浮かんでいた。
致命的敗北。俺の負け。此処まで。だが、理解してはいても
根本から折れた刀。それを
「諦めろ、もう貴様は
瞬間、オロチがその牙を
俺の意識が
・・・ ・・・ ・・・
『……い。おい。…………おい、……早く
「っ⁉」
その声に、俺の意識は急速に
と言う事は、俺を呼んだのは?
『ようやく目覚めたか。宿主』
「……アイン?」
アイン=ソフ=オウル。俺の
……そうだ、思い出した。俺はオロチとの戦いに敗北して攻撃を
俺の疑問に、アインは即座に
『宿主はまだ生きているよ。そして、まだ負けてもいない。奴の攻撃を受けた後、奴自身の気まぐれにより生かされ
「生かされた……いや、だとしても俺は…………」
俺が
そういう事らしい。
『だとしても、何だ?宿主はずいぶんと
「…………っ⁉」
『少なくとも、俺は悔しい。殺す
アインのその瞳は、
この怒りこそが……
『お前は悔しくないのか?殺す価値もないと侮られたままで、本当に
「良い筈がないだろう‼」
だから、俺も怒りを
守りたかった。救いたかった。だからこそ悔しい。守り切れずに
そんな事、俺は
『ああ、それでいい。それでこそ、我が
そう言い、アインは笑った。瞬間、俺の意識が急速に
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