22,悪夢のはじまり
始まりは
私に
小さな世界。まだ小さかった私。そんな私に、
だからこそ生み出された私。価値の無い世界で生まれた、
……では、私の生まれた
私の始まり。
全ては、
・・・ ・・・ ・・・
「…………っ⁉」
目を
どうやら、かなりうなされていたらしい。息も
……少しだけすっきりした。と、その時窓の外に一人の
それはまあ
「…………?あれは、クロノ君?」
そう、それはクロノ君だった。
滅びた文明から一人だけ
彼は、きっと自分で思っているよりかなり
彼は、一体何を思って生きているのだろうか?以前、
それは、きっと彼なりの
そんな彼の強さと
「……………………」
少しだけ、彼と話したいと思った。軽く身だしなみを
・・・ ・・・ ・・・
外に出て
「クロノ君?」
「うおっ⁉」
唐突に、背後から掛けられた声に思わずびくっと身を
背後にはユキが居た。どうやら、彼女も起きたばかりのようだ。着替えたばかりなのだろう薄着に、ほんの僅か俺の心臓が
その視線に気付いたのか、ユキは軽く笑いながら胸元を
「あはは!やっぱりクロノ君も男の子だね」
「ご、ごめん……気に
そっと視線を
「いや、クロノ君なら
むう、それはどういう意味だろうか?俺も一応男なんだけど。まあ、でも信じてくれているだけありがたいのだろうけど。俺も、僅かに笑みを浮かべた。
そんな俺に、ユキも笑みを浮かべたまま静かに
しかし、それが今の俺にとって心地よかった。心底安心出来る。それはきっと、俺が心の何処かでユキの事を
そう、俺はユキの事を
きっと、それはユキもそうなのだろう。だからこそ、この距離感なのだと思う。
そう、俺は思っている。
「で、どうしてこんな時間に?」
そう、ユキは俺に問い掛けてきた。何ともない、
思わず視線を
「そういうユキこそ、こんな時間に起きているじゃないか」
「あははっ、
「……そうか」
俺は、納得したように頷いた。どうやら、彼女も夢見が悪くて
そう俺が一人納得していると、ユキが俺をじっと見詰めてきた。
「で、クロノ君はどうしてこんな時間に?」
「……俺もそうだよ。夢見が
「へえ?それはとんだ
俺は黙って頷いた。そう、これはあくまで偶然。そんな事もきっとあるだろう程度の、些細な偶然の話でしかないのだろう。小さな小さな偶然の話だ。
しかし、その偶然がきっと
そう、それはほんの
それは、遠くから近付く何かの群れ。
「…………?あれは、何だ?」
「あれ?」
俺とユキはそちらを
巨大蛇の怪物、甲殻バジリスクの群れ、怪物猿の軍団、その
「「っ⁉」」
俺とユキは同時に息を
そう、それはまさしく悪夢だ。悪夢というに相応しいだろう光景。或いはこの世の地獄だ。それはまさしくこの世の地獄であり、悪夢と呼ぶに相応しい。
そして、その怪物達の混成軍団の前を行くのはとりわけ巨大な
「っ、オロチ⁉怪物の王、オロチがついにその腰を
「オロチだって?」
「い、急いで避難命令をっ‼戦える者を早急に
慌てて
なら!
俺は、一人敵の
直後、集落全土に
そう、
・・・ ・・・ ・・・
巨大な怪蛇の
「む、貴様は
怪蛇王、オロチが声を上げる。どうやら人語を
「俺の名はクロノ。遠藤クロノだ‼」
「そうか、では死ぬがよい‼」
巨大な怪物達が俺へと
ともかく、数えきれない程の大規模な
そして、俺と怪物種の群れが。その牙と灼熱の刃が
その時、吹き上がった火柱はかつてない程に
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