5,この世界を生きる者として
目を
すやすやと
うん、
「……………………」
俺はしばらく考えた後、そのまま諦めてベッドに再度寝転がる。どうやら、ずっと彼女が
理解して、少しだけおかしくなりほんの少し
さらさらの髪。流れるような
そのままずっと撫でていたくなるが、そうもいかないらしい。ユキの目が
「……………………?」
「
「……?…………っ⁉っっ‼」
ユキはくわっと目を見開く。見開いて、俺をじっと見た。僅かな
勢いよく起き上がり、目を
それが一体どれくらい続いただろうか?やがて、ユキは口を
「
「ん?」
「怪我はもう大丈夫?もう起きても良いの?やせ
「お、おぅっ……別に俺自身は
その言葉を聞いてほっと一安心したらしい。しかし、やがてユキはその目から涙を流し始めて……
って、え?
「……へ?」
「良かった。うっ……本当に、もう目を
「え?え?俺そこまで
こくりと
しかし、ユキが言うには俺はかなりの重傷を負っていたらしいのだが。少し、怖くはあるが一体どの程度の負傷だったのか聞いてみる事にするか?
「えっと?聞いてみるけど、どのくらい
「えっと……身体中に甲殻バジリスクの牙や爪での切り傷や
……はい?
「……は?え、マジで?」
ユキは再び
そっかー、と俺は呟き老朽化した天井を
一体どうなっているんだか。不審には思うけど、まあ良いと一度思考を切る。
その瞬間、そっとユキの手が俺の身体に
「本当に大丈夫?何処も
心配そうにずいっと
泣きそうになるユキの顔に俺は無様にも
「ああ、大丈夫大丈夫。何処も痛くはないから。気にしないでくれ」
「……本当に?」
「ああ、本当だって」
大丈夫‼と俺は拳で胸のあたりを思い切り
ようやくユキも俺が元気である事を信じたのか、良かったと涙を
……顔が
と、その時。唐突にドアが
よれよれの白衣を着た、無精髭の
「……えっと?」
俺が何かを言おうとした時、男は俺の姿を見て
一体何なのか?男は口を開き……
「お前、何でぴんぴんしているんだ?」
いきなり
「いや、何でって……」
「あれだけの重傷、この時代じゃあ
そう言えば、と。俺は改めてこの
そう思ったが、俺はすぐに
俺はコールドスリープの装置に入っている間に、架空塩基という人造の
思い出す。アインは確か、俺の意思の強さに
問題はその力の内容だ。しかし、今はそれは置いておいて男の
「えっと……とりあえず
「いや、気合でどうにかなる負傷じゃねえ‼」
思わず
そう思うが、男にはいまいち
「ぐぬぬ……まあ良い。良くはないが、まあ良いだろう。それよりも俺はお前に話があるんだ」
「はぁ……」
話、ねぇ……?
俺は気のない返事を返す。しかし、有無を言わさない
「とりあえず、先に
「遠藤クロノです」
「じゃあクロノ。単刀直入に言う、お前は
そう言い、ヤスミチは俺を
事実、文明が滅びた世界に生きる者の
「俺は、ヤスミチさんから見てかつて滅びた文明の
「……………………」
とりあえず、俺もヤスミチさんの顔をじっと見る。はたから見たら、俺達は睨み合うように見えるのだろうか?まあ、それは良いけど。
やがて、正気に戻ったのかヤスミチさんは首を左右に
「……それは、本当の話なのか?」
「ああ、本当の話だ。それと
「あ、ああ。
そう言って、ヤスミチさんは表情を元に戻して俺に問う。
「お前はこの時代で何をしたいんだ?お前はこの世界で何をしようと思っている?」
その質問に、俺はゆっくりと考えを
この時代で何をしたいか、か。さて、どう答えたものかな?正直目覚めたばかりの俺にはこの時代で何をしたいかなど明確な
俺はやがて思考を切ると、俺自身の考えを答えた。
「しばらく俺は文明崩壊の原因を
「……………………」
「………………………………」
この回答には、ヤスミチさんだけではなくユキも
しかし、その沈黙はヤスミチさんの爆笑によって
「……ぷっ、あははははははははははははっ‼そうか、責任か。なるほど?確かに生き残りであるお前にはそれを
何だか含みのある言い方である。それと、先程からユキがずっと
しかし、それを聞く前にヤスミチさんがバンバンと俺の肩を
少し、痛い。
「俺はお前の事が気に入った。良いぞ?今日からお前は俺達の
「は、はぁ……」
俺は、そんな風に
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