3,崩壊した世界
そして、俺はユキに
というか、まあ俺が聞きたかったからなのだけど。それは思っていた以上に
「人類文明の崩壊、通称”大災厄”は世界人口のほぼ過半数を
「……………………」
その言葉に俺は思わず
”まるで、地獄の
思い出す。あの時、火の海と化した
文字通り、あれは世界の
それは、きっとほんのささやかな
いや、或いは———
或いは世界の終末に
俺はふと、両親の最後の姿を思い浮かべる。あれは、決して
きっと、両親は
僅かに胸が
俺は軽く頭を左右に
「さっき、文明崩壊後の世界についてずいぶん
「そうだね。うん、
ユキは頷くと、懐から一枚の
先程話に出てきたアジア大陸は
日本も例外ではなく被害を
まず、首都圏は完全消滅。北海道は所々にクレーターが出来ており、近畿と中部地方を両断するように巨大な
一体何だこれは?実際に世界が
僅かに目を
「文明が崩壊した後、その世界でただ一人世界中を
「これが、崩壊後の世界だって?こんな……酷い……」
「まだ、崩壊直後の世界には
人類は取り残された。その言葉に、ユキ達の
そう、人類はそんな酷い世界に取り残されたのだ。数を大きく
それは、実際に崩壊した世界で生きているユキだからこそ
先程、俺は人類がこの世界に生き伸びた事をささやかな
その事に俺は胸が痛くなるような
俺は
けど、俺に一体何ができるのか?何か
「俺は……」
何かを言おうとした、その時———
突然響く破壊音。それは、自分達が向かう先から
そして、それは恐らく正しい。ユキの表情が一変する。
きっと。
「っ、向こうは‼」
ユキは
果たしてその向こうには、人々を襲う怪物の
しかし、ユキが走り出す前に俺が駆け出す方が僅かに
周囲を鮮血が舞った。俺の身体を蜥蜴の血が
「クロノ君⁉」
胸の
傍に居る蜥蜴から次々と斬り捨ててゆく。ただ切り捨ててゆく。胸の痛みは更に増してゆく。
甲殻バジリスクの群れが
俺は、俺の内に
しかし、当然の事俺も無事では済まない。蜥蜴の爪が、俺の肩を切り
時間が
傷は更に増えてゆく。
しかし、そんなものは一切気にしない。まだまだ、まだまだだ……
「……………………っ‼‼‼」
まだだ、まだ戦える。まだ、俺は戦い続ける。そう意思を籠めて俺は刃を
刃を振るい、蜥蜴を切り、首を断ち、身体を
斬り、斬り、斬り、断ち、断ち、断ち、怪物の
「まだだ‼まだ……まだまだっ‼」
身体中を駆け
しかし、それでも蜥蜴の
俺は刀を
「クロノ君っ‼」
だが、襲い掛かった蜥蜴達が俺に届く前にそれを
不可視の刃が、次々と蜥蜴の群れを切り
「止まっている
「分かった‼」
一言、それだけで十分だ。それ以外に言葉など
俺とユキは戦場を
縦横無尽に駆けてゆく不可視の刃と
最初は幾百も居た蜥蜴の怪物。それが百へ、百から十へ、そして九、八、七と。
……やがて、最後に残った怪物蜥蜴の一匹を俺が切り戦闘を
ユキが、何かを
誰かが俺の身体を
何故か、俺は彼女の泣き顔を見ると胸が締め付けられるように
其処までだった。俺の意識は其処で途絶え、急速に
・・・ ・・・ ・・・
その光景を、遠く離れた場所から見ていた者がいた。それは、怪物種の跋扈する世界においても
彼は、その光景を
「早急に、
果たして、その言葉の意味は何だったのか?それは知れないが、一つだけ察せる事はあるだろう。
それを感じさせる
それは一体何なのか?果たして、この戦闘にどのような
それは、今は分からない。ただ、これから先に今以上の
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