第4話 俺「よっしゃ料理スキルで無双したろ」

スマートフォン


こちらのサイトが定番じゃないかと思います


https://cookpad.com/


「お兄ちゃん火もおこせないの」

 教会の料理はシスターであるクレアさんを中心に子供立ちと一緒に作る。

 当然ながら僕も協力することがあるのだが。


「ちょっと退いてよもう」

 釜の前に陣取って火をおこそうとするがおこせない僕の手付きを見かねた女の子が交代するように命令をだす。

「へい。さーせん」

 僕は抗うことなく場を明け渡す。

 木屑のうえに小さな薪をうまく積み上げて、火打石(これが難しい)で火花を飛ばして着火させる。

 そして少しづつ薪や焚き付けのサイズを大きくすることで火力をあげていく。

「兄ちゃん。面白い料理は知ってるのに料理自体はど下手くそだよな」

 それを眺めながら手順を確認してるのを見た男の子にそんなことを言われた。


 スマートフォンで検索したらいろいろなレシピ本は確かにでてくる。

 でてくるが、レシピをみて料理ができるなら誰も苦労しない。手に入らない食材、調味料はもとより、使う道具がそもそもちがうのはもとより、単位がちがう。

 軽量カップ、鍋のサイズ、そういったものが全部ちがうわけで、レシピみて料理ができる程度じゃどうにもならない。

 仮に食材が揃ったとしても、この世界で長く料理をしてる子供たちにレシピを教えたほうがうまく仕上げるんだから、まぁ反論の余地なしだ



「人間には得意不得意がありますからね。落ち込まないでください」

 クレアさんにそう慰められたが、逆に言えば料理が下手くそというのは否定の余地がないというわけだ。

 なお悲しい。そう思いながら言われた通り料理を盛り付ける皿をテーブルに並べていった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る