第6話:労働対価は適正なのか? ①

現在、労働賃金に関しては労働基準法ならび最低賃金法で決められている。しかし、これらの設定賃金などが実労働における労働対価に対して適正賃金なのか?というと私自身は疑問だ。


 もちろん、最低賃金を守って、割増賃金をも守ることで労働対価を算出している。しかし、この労働対価が適正な金額を労働者に支払っているのかは疑問でしかない。


 労働基準法では最低賃金以外は明記されておらず、企業側の裁量に任されている。しかしながら、適正な給料の水準が曖昧になっていて、ほとんどの業種で労働対価が給与水準を下回っているような印象を与えている。もちろん、実際のところは下回っていないという考えを持っている人は多い。しかし、労働対価がきちんと適正な水準で支払われているという根拠となるエビデンスはない。だからこそ、厚生労働省などが業種別の適正賃金を明示し、労働効率や適正休日日数などを確保出来るように整備する必要がある。特に運送や航空など人員不足や休日が十分に取れない可能性がある職種、肉体労働など怪我をする可能性がある職種や危険な業務を伴う職種に対しては最低賃金ではなく、特定業種特別賃金を設定し、最低賃金法に基づいた賃金と特定業種特別賃金に基づいた賃金のうち業種や職種において労働対価と相対対価を対比して適正賃金となる給与形態を構築させることが重要だ。そして、特定業種における納税額の軽減など全職種同一納税額ではなく、業種および職種別で最低納税額を決めること、雇用形態に応じた税率換算の導入が必要だろう。これは、今の日本における労働ピラミッドにおいて、所得格差や提示賃金格差など諸格差が発生している。特に正規雇用と非正規雇用で所得も待遇も異なるため、同一税率では不平等になってしまう場合もある。特に、アルバイトなどは1カ所の場合はほとんどのケースで非課税対象金額を上回ることがないため、最終金額が非課税対象額に収まる。しかし、複数箇所やフルタイムのアルバイトやパートなどは労働時間の関係上、非課税に収まることはほぼ難しい。


 私は個人の生活状況や生活を営む上で必要な保証などを加味して税率や賃金を決定する必要があると思っている。なぜなら、税金を払ったことにより生活が困難になってしまう、必要な支払いが滞ってしまうなど本人の信用情報に関わる重大事項がないがしろになってしまうからだ。もちろん、平等な税負担をさせなくてはいけない。しかし、適正な賃金という判断基準は今のところは最低賃金法に定められているものしかないため、最低賃金さえ守っているだけで違法性はないと判断されてしまう。その結果、労働対価に合わない仕事量をこなしても会社側が契約している給与のみしか出ない。そのため、給与から税金や必要経費として差し引かれた場合に所得者本人たちが消費に対する抵抗感が出て、経済が衰退してしまうのだ。

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