第69話
「あ…同接42万人ありがとうございます……なんかむしろ増える速度上がってません…?」
リザードマンの上位種を倒した俺は、深層探索を続ける。
ふと配信画面を映したスマホに視線を落とすと、同接は42万人を突破していた。
リザードマンの上位種との戦闘に入る前に最後に見た数字が35万人だったと記憶している。
なんだかここへきて同接の伸びが衰えるどころか、むしろ加速していっている。
一体何が起こっているのだろうか。
「もしかして…水増しとかされてます?……誰かがツールほかにか使って…」
俺は一瞬、視聴者の誰かがツールか何かを使って同接を水増ししている可能性を疑った。
実際、つーべで同接や登録者の水増しはよく行われることだ。
過去には、仮想通貨を扱う怪しげなチャンネルが、ツールを使って同接を水増しし、胡散臭い情報商材を販売していた、という事件もあったし、なんなら事実かどうかはわからないが、登録者をお金で買うことができるという噂もまことしやかに囁かれている。
だから俺はここへ来て俺の視聴者が、俺の同接を多く見せるために何かしらのインチキをしたのではないかと疑ったのだ。
…自分の見ている配信者の同接をやたらと気にする俺の視聴者ならマジでやりかねない。
“してないぞ”
“それしろってこと?”
“やってないが?”
“いや、多分普通に増えていってるぞw”
“まぁ42万人とかいう数字見たらそれ疑いたくなるのもわかる”
“多分これちゃんと動いてるアカウントだぞw w w”
“神木人来すぎて怖くなってきてるやんw”
“マジで誰もやってないと思うぞ”
“そんなことしたらワンチャンお前のチャンネルがペナルティ喰らって配信見れなくなるかもしれんしな。流石の俺たちでもそんなことせんよ”
“大将;;俺たちそんなに信用ないっすか;;”
“一応水増しするツール持ってるけどお前のチャンネルには使ってない”
“水増し出来るやついてわろたw”
“そんなツールどこに落ちてんの?自分で作ったの?”
”水増しツールは普通に○○人が販売してるぞ。数百人増やす程度のツールなら数千円で買える”
“マジかよw w w”
”ゲームのチートも○○人の業者がよく売ってるって言うよね“
「いやごめん…正直ちょっと疑ってしまった……冤罪だったら本当にすまん……でもなんでどんどん伸びてるの…?怖くなってきたんだけど…」
どうやら俺の視聴者の仕業ではないらしい。
と言うことは本当にこの42万人は動いているアカウントということになる。
なんだか怖くなってきた。
普通同接の伸びってどんどん落ちていくものだよね…?
なんでむしろ加速していってるんだ…?
…とか言っている間に43万人になったし。
”初見です!“
”今潜ってるの深層ですか…?“
”もうすぐ日本記録が塗り替えられると聞いてきました“
”これが噂の深層をソロで攻略している化け物の探索者ですか?“
”切り抜きから来ました“
”深層にソロで潜ってる命知らずがいると聞いて“
”神木拓也って最近よく聞く名前ですけど、この人がそうなんですか?“
”つぶやいたーに流れてた動画が嘘くさすぎて元配信に確認しに来たけど……マジものやんこれw w w編集したCGとかじゃないんよな?”
”初見なんですけどこの人まじで何者ですか?“
コメント欄にはいつも俺を見てくれている常連視聴者のコメントよりも、明らかに今日またはここ最近俺を見始めたらしい視聴者のコメントが目立つ。
他の配信者に比べてよくコメントをすると言われている俺の視聴者なのだが、むしろ彼らのコメントが埋もれてしまっている。
「マジで何が起きてるんだ…」
なんだか深層に潜っているのにモンスターに対してではない別種の恐怖を感じてきた。
結構行き当たりばったりで挑んだ深層配信でまさか初回からこんなに視聴者が集まるなんて思っても見なかった。
“神木ビビってらw”
“モンスターではなく同接にビビってるのおもろいなw”
“普通にお前が強いからみんな見に来てるんだと思うぞ”
“深層にソロで潜る高校生とかマジでお前以外にいないからな。自分の希少性をそろそろ自覚したほうがいい”
“神木お前ここまで強いとワンチャン政府に目つけられないか?ある日連れ去られて人体実験されたりしないよな?”
“ありそう。政府が神木を連れ去ってクローン作り出したりしそう”
”んな陰謀論みたいなことあるわけない。SFじゃないんだから“
”まぁ連れ去られるとかは日本じゃありえないが、実際政治家とか官僚とかに神木の存在はすでに知れ渡ってるかもな。なんらかしらのスカウトとかを受ける可能性も“
”つか仮に政府が神木を攫おうとしても神木なら返り討ちにするやろw“
¥5,000
神木同接40万人越えありがとう。多分だけど同接の伸びがどんどん加速していってんのは、お前が深層第一層を攻略しつつあるからだぞ
「あ、スパチャありがとうございます。ええと……俺が深層第一層を攻略しそうだから同接が伸びてる…?え、このダンジョンの深層第一層ってそんなにやばいんですか?」
スパチャで同接の伸びの加速の原因を考察してくれている人がいた。
それによると俺が深層第一階層を突破しつつあるから同接が伸びてる可能性があるとのことだ。
このダンジョンの深層第一層はそれほどまでに恐れられているのだろうか。
…そんなに恐れるほどの強いモンスターは今の所出てきてないと思うのだが。
いや、他のダンジョンの深層に潜ったことないから比較はできないのだけど。
”そうじゃねぇよw“
”違うぞ神木。日本の記録の話やw
“天然すぎるw”
“高校生がソロで深層第一層を攻略し切ったら日本記録なんだよ”
“お前今日本の記録目前だぞ”
“今まで高校生の探索者が他の成人した探索者とパーティーを組んで深層第一層を攻略したことはあったが、ソロでは初なんだよ”
“お前それに気づかないでここまで来たの?”
「え、日本記録!?マジっすか?」
“マジだぞ”
“やっぱ気づいてなかったのかw”
”マジでなんの下調べもしてないやんお前w w w“
”深層第二層に入った時点で日本記録“
”もうちょいで日本記録樹立。頑張れよw“
”本当に伝説の配信になったな。お前らが生き証人になるとか言ってたけど有言実行だな。おめでとう“
”この強いけどどこか抜けた感じがいいんだよなぁw“
「な、なるほど…そうだったんですね…」
どうやら俺は知らずのうちに日本記録を塗り替えようとしていたらしい。
コメント欄の有識者に色々聞いたところ、今まで高校生の探索者が、他の成人含む探索者パーティーで深層第一層を攻略したことはあるのだが、ソロで高校生が深層を一層でも攻略したことは未だかつてないらしい。
高校生のみでの深層一階層攻略も初なのだとか。
どうやら俺は気づかないうちに、日本の高校生探索者記録を更新しようとしていたようなのだ。
”日本記録とか高校生とかでトレンド入りしてる“
”日本記録塗り替える瞬間みんな見に来てるぞ“
”頑張れ神木!“
”ここにいる45万人がお前が日本記録更新する瞬間見に来てるぞ“
”マジですごいぞお前。誰にもできないことやってる”
“頑張れあと少しだ”
コメント欄に俺を励ます声が溢れかえる。
どうやら皆、俺が新たな日本記録を作る瞬間を見に来ているらしい。
なんか記録とか全然気にしてなかったけど、こうやって励ましをもらえたり期待されたりすると俄然やる気が出てきた。
「わかりました。そう言うことなら……ご覧に入れましょう。俺が伝説となる瞬間を……ここにいる皆さんに!」
“あ、調子乗り始めた”
“わかりやすいなこいつw”
“すーぐ調子乗るw”
“大将可愛い”
“調子に乗っちゃう大将モエー”
“まだ攻略したわけじゃないんだから油断するな“
”頼んだぞ。無事に第一層攻略してマジで誰にも作れない記録樹立してくれ“
「では行きます!!」
ちょっと気分が高揚しすぎて後から思い出すと恥ずかしいことを口走っているかもしれないが、しかしそんなこと今はどうでもいい。
俺は気合いを入れ直し、もう目の前まで迫った高校生探索者日本記録更新のために、深層を速度を上げて攻略していくのだった。
「おらおらおらおら!」
日本記録が目前に迫っているとわかった俺は、深層攻略の速度を早めた。
スマホ端末は体に固定し、片手剣を握って深層の薄暗い通路を疾駆する。
走りながら片手剣で幾重にも目の前の空中を切り裂き、斬撃を生み出す。
斬撃は俺の前方へと飛んでいって、立ち塞がる前方のモンスターを切り伏せていった。
ギェエエエエエエエエエ………
グギャァアアアアアアアア……
シィイイイイイ……
前方から無数のモンスターたちの悲鳴が聞こえてくる。
俺のはなった数多の斬撃は、敵が俺の存在を感知する前に飛来し、深層のモンスターたちを切り刻んでいく。
『ギョェエ……』
『グォオ…ォオ…』
そして俺が辿り着く頃には、モンスターたちは致命傷を負った状態で地面を転がっており、俺はすれ違いざまにまだ生きのあるモンスターにトドメを刺しながらダンジョンの通路を駆け抜けていく。
「ごめんな、片手間だけど。先を急ぐから」
いつもだったら一応配信のためにもモンスターの姿を確認してから戦闘体制に入るのだが。
…今はモンスターとの戦闘の様子を撮影するよりも、一刻も早く視聴者に俺が日本記録を塗り替える伝説の瞬間を見せてあげたい。
そんな思いが先行し、俺は普段は配信映えを気にして封印している一番手っ取り早い方法で、どんどん深層第一層を、二層に向けて攻略していった。
”やばすぎw w w“
”ファーw w w“
”斬撃飛ばしながら走ってやがるw w w“
“やっぱそうだよな。その方法が最強だよなw w w”
“こいつが斬撃出せるの知った時、なんでいつもやらないのと思ってたけど、やっぱり配信の面白さのためだったんやなw”
“えー、神木にとっての深層攻略は、走りながら斬撃を先出して、死んだモンスターを確認しにいくだけの簡単なお仕事ですw”
“これもう第一層攻略するやろw”
“張り切りすぎw w w同接どんどん増えてきてるんだから引き伸ばせやw w w”
“普通の配信者だったら最高同接を釣り上げるために引き伸ばしてるw”
“カロ藤みたいな配信ベテランだったら間違いなくこの場面では引き伸ばしに徹していただろうなw”
”いいんだ。この不器用さというか直向きさが逆にいいんだ“
”大将に引き伸ばしとかいう小細工はいらない“
”小細工とか卑怯な手段なしに、ただただ視聴者に面白い絵を見せることに全力投球。それでこそ神木拓也よ“
ヒィイイイイイイイ…
ヒィイイイイ…
ヒィイイイイイイイイイイイ…
「もうそろそろ終わりが見えてきそうですけど…幽霊のやつが溜まってきましたね…」
俺は悲鳴のような鳴き声が聞こえる頭上を仰ぎながら言った。
先出しの斬撃で、実体のあるモンスターは大方倒せる。
だが、実体のないあの深層に入って最初に出会った幽霊のモンスターは、俺の斬撃による攻撃を喰らうことなく、頭上を飛びながら俺についてきている。
俺はそろそろ第一層の最奥が見えてきたところで、この溜まってきた幽霊のモンスターを始末することにした。
「ほら、来いよ」
俺は足を止め、頭上に向かって手を大の字に広げ、無防備をアピールする。
ヒィイイイイイイイ…
ヒィイイイイ…
ヒィイイイイイイイイイイイ…
俺が動きを止めた途端、幽霊のモンスターの鳴き声が一気に距離を詰めてきた。
前方から殺気のようなものを感じ取る。
「っと」
俺はひらりと身を躱し、鼻先を掠めた幽霊のモンスターの攻撃を回避する。
そして攻撃のために一瞬実体化した本体を片手剣で切り裂いた。
斬ッ!!
確かな手応え。
ぼとりと足元に何かが落ちた気配があった。
ダンジョンの地面が隆起し、仕留めた幽霊のモンスターの死体を回収する。
ドガァアアン!!
バゴォオオオン!!!
ヒィイイイイイイイ!!!
ヒィイイイイイイイイイイイ!!!
「…っ」
仲間の死に怒り狂ったのか、幽霊のモンスターが2体同時に俺を殺さんと攻撃を仕掛けてくる。
俺が最小限の動きで避けた幽霊のモンスターたちの攻撃は、ダンジョンの壁や地面を容易に砕く。
「あんまり賢くはないタイプか」
しかしこれだけ激しく攻撃を行うと言うことは、それだけ実体化する回数も多いと言うことだ。
この幽霊のモンスターは、手数で俺を殺しにかかっているが逆にそれが自分たちの首を絞めていることに気がついていない。
「ここかな」
俺はタイミングを見極め、2匹の幽霊のモンスターが同時に実体化する瞬間を狙って強めの斬撃を放った。
ザザシュ!!!
『『……』』
振り返りざまの横薙ぎで放たれた鋭い斬撃は、同時に実体化してしまった幽霊のモンスター2匹を容易に切り裂き、勢い余って背後のダンジョンの壁を抉った。
斬ッ!!!
ダンジョンの壁に鋭い斬痕が刻まれると共に、ドサドサと幽霊のモンスター2体が地面に落ちた。
直後、ダンジョンの地面が動いて死体の回収が始まる。
“すげぇw”
“ファーw w w”
“2体同時にいったw w w”
“その一点に重なる瞬間を!のやつ深層でも使えるんかw“
“深層のモンスターをまるで羽虫の如くw”
”いやおかしいだろ。相手は霊体で姿見えないんやぞ?マジでどうやってタイミング見計らうんだよw“
”お前まさか未来見えてない?“
「ふぅ…倒せました。こいつ、やっぱりちょっと厄介ですね」
実体がない幽霊のモンスターを倒し切った俺は、額の汗を拭う。
片手剣を納めてスマホの配信画面を確認すると、霊体のモンスターに対して一体どうやったんだと言うコメントで溢れかえっていた。
「あー、なんていうか……戦いに集中するとたまにですけど、あ、次こうなるなってわかる瞬間があるんですよね。わかります?」
”わからないです“
”全然わかんない“
”わからない“
“わからないぞ”
”意味不明“
”理解不能“
”頭おかしい“
”お前は何を言ってるんだ?“
「さらに集中すると、なんか敵が次の攻撃する軌道みたいなのが、細い線みたいにして見える時もあったりするんですけど……皆さんもそう言う経験あります?」
”あるわけない“
”あるわけないだろ“
”お前マジで何言ってんの?”
“マジで未来見えちゃってるやん…”
“流石に引くわw w w”
“マジで漫画みたいなこと言い出したw”
“もうなんだこいつ…”
“意味がわからないよ;;”
“大将がどんどん人の領域を踏み外していってるよ;;”
“神木…お前本当に人間か?”
”初見です。この人何を言ってるんですか?“
”今日初めてこの人の配信見たんですけど、今のどう言う意味ですか?暗号みたいなのですか?“
”今の線が見える、みたいな話、どういう意味で言ったんですか?この配信特有のノリみたいなのですか?“
”初見の連中が戸惑ってら^^“
”初見さん安心してください。常連の俺らでもわからないです“
「ま、そんなことは今置いといてですよ…」
説明下手の俺ではやっぱりうまいこと伝えられなかったようだ。
相変わらずの自分の話下手に辟易するばかりだが、しかし今はそんなことで落ち込んでいられない。
「ついにやりました…!第一層攻略です!!」
そう。
今俺の目の前には、深層第二層への入り口がある。
つまり、正真正銘、現時点を持って俺は、深層第一層をソロで攻略し切ったと言うことになるのだ。
“どりゃぁああああああああああああああああああああああ!!!!”
”うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!“
“きたぁあああああああああああああああああああああああ”
“よっしゃあああああああああああああああああああああ”
“よーーーーーーーーーーーーし”
”よーーーーーし‘
“よーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーし”
“やったぁあああああああああああああああああああああ”
“神木拓也最強!神木拓也最強!神木拓也最強!”
“日本記録更新だぁあああああああああああああああああああああああ””
コメント欄に第一層攻略を共に喜び、祝うコメントが溢れる。
「同接50万人!!本当にありがとうございます…!確認なんですけど…これで日本記録更新なんですよね?」
気づけば同接も50万人を突破。
俺はちょっと疑わしくなってきて思わず、これが本当に日本記録なのか、視聴者に確認する。
“日本記録だぞ”
“間違いなく日本記録”
“おめでとうお前が伝説だ”
“日本記録達成おめでとう”
“国の探索者ガイドラインのホームページから確認できる。間違いなく日本記録更新”
”心配するな。しっかりお前が日本の高校生の最前線だぞ“
”日本記録です“
”マジですげぇよお前”
“やばすぎ。どこまでいくのお前“
”なんか大将が遠くにいっちまった気がするよ…“
”いや最初っから神木は遠い存在だろ“
“凄すぎ”
“おめでとう”
”トレンドお前一色でわろたw w w“
”マジでトレンドお前の配信のワードで埋め尽くされとるw w w“
“同接えっぐw”
¥10,000
神木マジでおめでとう。こんな瞬間を見られて一視聴者として幸せ、これからも頑張ってくレイー
¥50,000
大将おめでとうございます。一生ついていきます!!!
¥30,000
神木。お前が最強だ
¥20,000
神木拓也最強!神木拓也最強!神木拓也最強!
¥35,000 (桐谷奏)
神木くん本当におめでとう!神木くんは私たちクラス、高校の誇りです。本当に凄すぎ!神木拓也最強!だねっ
¥10,000 (カザーマ)
お前のやばさに最初っから気づいていた俺は、ヒロイン枠ってことでおけ?今更神木の凄さに気づいてももう遅いっ!!!ずっとお前を追ってきた俺と添い遂げようぜ!!んちゅっ♡
¥40,000
神木様本当に強すぎっ!好き好き大好きっ。世界で一番強くて優秀なオス♡早く神木様の子供、身籠りたいな……たくさん私の裸送ってきたけど、やっぱり私はタイプじゃありませんか?もし少しでもその気になったら連絡してくださいっ。電話番号DMで送っておきますっ
不安から思わずたずねてしまった俺に、コメント欄でたくさんの視聴者たちが間違いなく俺が日本記録を達成したことを教えてくれる。
そして日本記録を更新したことで、それを祝う色とりどりのスパチャというスパチャが飛びまくり、コメント欄が虹色に染まる。
「みんなスパチャありがとう!桐谷もまだ見てくれてたんだな。サンキュー。あとかざ……あっぶね、名前言いそうになった……ええと、お前も相変わらずだな…」
日本記録更新おめでとうというスパチャがたくさん送られてくる。
以前に収益化が通った直後の配信に似たようなスパチャラッシュがあったが、その時以上の勢いだ。
もし今日の配信のスパチャ金額が収益化初日のあの配信の金額を超えることがあれば……俺ワンチャン年収億いくぞ…
ま、マジで税金について色々しらべておく必要がありそうだな。
億単位のお金の申告漏れとか…多分一発アウトだし…
あと、祐介。
お前そんなくだらないコメント書くために一万円使って大丈夫か?
ヒロイン枠ってなんだ気色悪い。
「ったく、あいつは…」
俺はきっと今頃俺の配信を見てニヤついているであろう悪友の顔を思うかべてため息を吐いた。
…ちなみにちらっと視界に映った気がする四万円ぐらいのやばすぎる赤スパチャは見なかったことにした。
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