第11話 カビトリ聖池から放つ光(2)


*

窓のないこの部屋に入ったとき、空気の温度が一瞬にして10度下がったような気がした。

部屋の中は非常に暗く、すべての光が果ての池の底に集中している。


その池は普通の池とは全く違う。

高台に積まれ、高台の縁に銀色の光が光っている。池は六角形で、それぞれの角には古風な銅鏡が並んでいる。

高台同様、銅鏡の表面にも模様が刻まれている。

——それは神の紋様だ。

神聖な儀式を受けるように、俺の顔は次第に厳粛になってきた。


池の前の巨大な黒い布が突然動き出した。驚いて足を止めた。

そして、それはスタッフが立っているだけだと気づきた。

彼は振り向いて俺をちらっと見て、黒いガウンの下の片手を現して、手にリストを持っていた。


池の反対側には他の4人が立っていて、水中の未知の発光物体をじっと見つめていた。その中の2人の目つきには、極めて渇望と敬虔さがにじみ出ていた。


彼らも顔を上げて俺を見ていて、顔にはいらいらした顔をしていて、明らかに俺を待っている。

急いで走って行って、でこぼこした地面の上で足がカリカリと叩く音を立てた。


「職業授与式の古い手順に従って、まず紹介した——」

彼は別の指で池の中心の光を指した。

「――カビトリ聖池」


聖池?

脳は急速に回転し始めた。

元の世界では、あんなにたくさんのマジックタイプのゲームをしていたが、この珍しい固有名詞は聞いたことがない!

そして、カビトリ……また誰の名前だ?

スタッフは心の中の謎をすぐに解いた。


「神の死後、その魂が罪のある者に利用されないようにするために、四分五裂させ、俺たちが言う『魂のかけら』となり、世界の隅々に散らばる」

「それぞれの魂の破片が地面に落ちたとき、聖なる池が誕生し、その後俺たち凡人が発見して利用した。カビトリ、偉大な職業の神、この時、彼の魂の破片は静かに聖池の下に横たわって、衆生に幸福をもたらしている!!」


ゆっくりと頭を下げて、考え込んだ。

そういえば、この世界には神が実在したことがあるのだろうか。他の4人は明らかにそれを信じて疑わなかった……。


待ちきれずに自分の理想の職業を手に入れようとしたせいか、彼らは黒ずくめの人(まずそう呼びましょう。この言葉は俺の悪い思い出を呼び起こしているようだ)を一斉に見て、顔には何の隠すこともなくいらいらした顔をして、先頭に立っていた人はまだ「チッチッ」という声を出していた。


「神の使者の前で、場に合わない騒音を出すのは非常に失礼だと思いる」

スタッフは彼らの行為が神の魂を汚したと思っているようで、冷たい口調で言った。

あの数人は顔を見合わせて、そして頭を下げて黙っていた。


「お前らの生命石は外部の者から渡されたばかりだ」

黒ずくめの人は、胸の前の小さなプラットフォームに置かれているいくつかの石を指した。

俺の生命石とは全く違って、かすかな光を放っているものがある。


「今から——」

彼は深く息を吸って、青白い顔に鋭い目をした黒い目が私たちに向かっていた。

「——儀式が本格的に始まる!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る