第7話 古堂 美冬(ハイスペギャルモ)②
「だって、あんたらのパーティーめちゃ良さげじゃね? ・・・・・・ただし、そのモブ
氷の女王の異名を持つギャルモ、
「だよねー! そうだよねー! 阿香里達とこのぼっち君はやっぱり釣り合わないよねー! コドーちゃんとは気が合うかもしんなーい!」
しかし、それに対しての古堂 美冬のリアクションはほぼ
さすがに調子に乗ってしまったと悟ったらしい秋野 阿香里は慌ててこう訂正した。
「うそうそ! うそだからー! コドーちゃん・・・・・・じゃなくて古堂さん! もう
それで、やっぱり古堂 美冬は思っていた通りかなり攻略の難しい子なのだと俺が思っていると、古堂 美冬がパールベージュのショートボブの髪を掻き上げてから、なんと俺に向かってこう言ったのだ。
「モブ男君はなんかあーしに言いたいことあんじゃね? さっきもなんか言いかけた途中だったじゃん?」
古堂 美冬がこうやって人に意見を一度ならず二度までも求めているところなんておそらくは誰も見たことがなかったので、周りの全員が息を呑んで俺の発言を待っているみたいだった。
それは俺にとってはピンチ以外のなにものでもなかったが、考えようによってはチャンスだと言えなくもなかった。もちろんその時の俺にはそんなふうに考える余裕なんてあるはずもなく、焦りに焦って結局こんなふうに答えたのだった。
「モブ男君とかぼっち君じゃなくて・・・・・・いい加減名前で読んでくれないかな? 俺にも
我ながらあの場面で古堂 美冬相手によくそんなことが言えたもんだと思う。
古堂 美冬もさすがにちょっと驚いたような表情になっていた。それから古堂 美冬は少しだけ微笑んでから俺にこう言ったのだった。
「へー! そんなこと言えちゃう系なトキハルんだ! いいじゃん、わかった! 時岡 尚春・・・・・・だから、って呼んだげるわ! そのかし(たぶんそのかわりの意)、あーしのことはミフユって呼べよ!」
この時、わっと周りがざわめいたのをよく憶えている。古堂 美冬のことを「ミフユ」と呼び捨てで呼んでいる人間なんて今までテレビですら見かけたことがなかったのだから、当然と言えば当然の反応かもしれない。
俺は古堂 美冬に気に入られたのだろうか?
その時は確かにそう思ったのだが、結論から言えば古堂 美冬はそんな簡単な子ではなかった。
そして、そんなことがあった直後、その余韻に浸る暇もなく、例の天の声のおっさんが突然喋り始めたのだった。
「勇者候補生たちよ! そろそろ旅立ちの時だ! 君たちにはこの世界を救う力がある! パーティーの仲間を信頼し協力し合い共に成長し、巨大な悪を見事打ち負かしてくれ! ・・・・・・では、出発前にとっておきのプレゼントを受け取ってくれたまえ!」
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第7話も最後までお読みくださりありがとうございます!
もしちょっとでも「なんかおもしろそう!」「これは期待できるかも!」と思っていただけましたら、最新話の後に☆☆☆評価をしていただけるとめちゃくちゃうれしいです!
作品フォローもぜひお願い致します!
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