第6話
それから、雄哉と峻希は同じ大会にそろって参加する仲になっていた。そして二人は、時には友として、時には一緒にボッチャを戦うライバルとして、競い合うように強くなっていき、五年後には、大会で毎回好成績を残せるようになっていた。
そして今日は、日本ボッチャ協会が選出する、今年のボッチャ強化指定選手が発表される日だった。
「強化指定選手になる」
それは、ボッチャで日本一になるという夢を叶えるうえでとても重要なことだった。強化指定選手になれれば、日本代表の「火の玉ジャパン」と言うのも近づくわけだから、日本一と言わず、いつの日か佐藤監督に言われた、その先の世界一と言うのも目指せるかもしれない。そう思った雄哉は、発表を峻希と見守ることにした。
発表は、日本ボッチャ協会のオフィシャルサイトに強化指定選手の名前が掲載される。雄哉と峻希は自分の名前が掲載されるよう、願っていた。
そして強化指定選手が決定。
「今年度の強化指定選手の選手名を掲載します。沼田絵梨・・・」
最初に名前が載っていたのは、毎年のように強化指定選手に選ばれていて、雄哉がボッチャを調べて最初に憧れたのは沼田選手だった。
「・・・杉山雄哉、廣井峻希。以上十二名。」
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