第5話

大会は、雄哉も峻希も初戦敗退という結果に終わった。雄哉は、この大会で結果を残すことができなければ、ボッチャを諦めようと思っていた。その大会で結果を残すことができなくて、雄哉はこの大会で一区切りをつけようと思っていた。


 しかし、そんな時に一番に声をかけてくれたのが峻希だった。

「雄哉さんでしたよね?そんなに落ち込まないでください。自分も今回の大会は初戦敗退で、今まで参加した大会も結果は残せていませんが、自分の夢であるボッチャで日本一になるを実現するために頑張っています!」


「ボッチャで日本一になる」雄哉と峻希は同じ目標をもってボッチャに打ち込んでいたのだ。

「ボッチャで日本一になる?それ、僕と一緒です!」

 雄哉は嬉しかった。すると、峻希からこんな提案があった。


「じゃあ、二人とも日本一になれる保証はありませんが、どちらが先に日本一になれるか、勝負しませんか?」

「それ、いいですね!」

雄哉はこの提案に賛成した。そして、峻希に負けることはできないと思った雄哉は、


これからもボッチャを続けていくことを決心したのだった。

しかし、雄哉は思った。雄哉と峻希は今日初めて出会った二人だ。初めて出会った関係の峻希が、初めて出会った雄哉に、何故ここまでしてくれるのか。雄哉の疑問は、考えれば考えるほど大きくなっていった。

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