4話 ルナ視点

「ル……ナ」

「ソフィアっ、ソフィアっ」

「っ…。ダメだ、反応がない。僕の、僕のせいだ」

 僕がっ僕…がソフィアは…僕を助けてくれたのにっ。どう、したら。

「うぅ…。僕はまた、失うのかなぁ」

 気がついたら僕は泣いていた。

 泣いていても仕方がないと思いとりあえずソフィアを抱えベッドに運び、看病をする事にした。


 看病をしながら僕は彼女…ソフィアのことを思い返していた。

 そもそも最後に誰かと話をしたのはいつだったか…ここ、協会に入ってからは誰とも話していなかった気がする……。

 100年間、僕を閉じ込めておいて1度でも誰かがこの部屋に様子を見に来たことがあっただろうか。だから、ソフィアが優しくしてくれた時、すごく…うれしかったんだ。僕に名前をくれて、僕の不安を取り除いてくれて…今は彼女に何も返すことができなくてもいつか…

「う、ううん…ルナ?私、なにを…」

 考え事をしているとソフィアが起き上がった。急なことでびっくりしたけどそれ以上に安心感とうれしさが勝った。

 つい僕はソフィアに抱きついてしまった。「うわーん。よがっだ、よがっだよぅ」

 気持ち悪がられるかな、と不安に思ったけどソフィアは静かに僕の頭を撫でてくれた。

「ふふっ。大袈裟よ、貧血だと思うから気にしないで」

「やっぱり、やっぱり僕のせいだ」

 僕がそう言うとソフィアはムッとして…

「ルナ、なんで自分のことばかり責めるのよっ。いい?あれは、私自らやったこと。もう自分を責めないっ、わかった?」

「ソフィアは、やさしいね」

 僕はソフィアに微笑んだ。するとソフィアは何故か顔を真っ赤にして……言った

「……ふえ?あ、あう。や、やめてよ。慣れて、ないんだから…恥ずかしいじゃない…」

 かわいいなあ。すると僕の表情がおかしかったのかソフィアがぷくっと頬を膨らませて………

「なによぉ。似合わないっていうの?ルナ」

「あ、いや、うぅ……」

 正直に言うか迷ったけれどソフィアがジロリ、と睨んできたので正直に言うことにした。

「ええと、か、かわいいなあって…思って」

 ソフィアは一瞬ポカーンとして……

「ば、バカなこと言わないでくれるかしら…あ、明日から覚悟して下さいねっ」

 そう告げたソフィアの声は少し、上ずっていて、顔は耳まで真っ赤になっていた。

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