第18話うねり①③
斎藤に話した事をそのまま全部話す訳には行かずボス討伐までの流れだけを説明した。
「確かに最大限に休憩も取りつつの最短攻略はそれが理論値でしょうかそう上手く行くでしょうか?市民の護衛もあります」
「それなんだが当然考えはある。今私達がいるこの拠点は通り道が基本1つしかない上に高さもそれなりにあるからモンスターが襲って来たとしても攻撃範囲の広い魔法を使えばそこまでの脅威は少ない
継続的に襲われる可能性はあるがこの結界をそもそも突破するだけでも不可能の領域だ。モンスター共が出来る事と言えば結界に張り付く事が精々だ。もちろんそんなモンスターを結界の中から魔法で攻撃出来るから安全度は跳ね上がる」
「結界に相当自信があるんだな?」
「当たり前だ私は栞と違って純粋かつ自己完結型特化の前衛ではないんだ。本来はチームの後ろでドンと構えているタイプだよ」
栞の話で自分より強いと聞いている石丸達は信じられないとでもいうような視線を私に向けて来る。
いや、まぁ言いたい事は分かる。
君達の前では神狩での戦闘しか見せていないからな!
うーむ?サポートするハンターは戦闘が出来ないとかいうくだらない先入観を持ってる気配がする。
「それで話を戻すぞ?ボスの最短最速の攻略の為にもメンバーを選ぼうと思う」
「何人連れて行くつもりだ?」
「分からん、だから会議をする。ボスの調査をしたらその日に会議と休憩を入れたいから動ける荷物持ちが欲しい。
最悪私が身体能力強化を施して走れるようにするつもりだ。後は範囲攻撃持ちの魔法使いのハンターはそこまで多くは望まない。出来れば高出力による貫通力のある魔法を使うハンターをメインで構成する。
基本私が結界で守り栞や他のハンター3人ほどでボスの撹乱、隙を作る為に範囲攻撃を持つ魔法使いでボスの視界を塞ぐそしたら貫通力のある魔法を持つ者達で全力で攻撃。
これが上手く行った場合のプランだが当然ここまで理想的な流れになるのはまずあり得ない。どこかで破綻したりするがそこは私がカバーをする。
だがもしどうしても栞以外のハンターにはキツい場面が出てくると思うそうなったら遠慮せず下がってくれ私が対応する。前衛が私と栞だけになった場合後衛にいるハンターはもしもの為にボスの範囲攻撃を迎撃する役目に回ってくれ」
「荷物持ち役のハンターは待機でしょうか?」
「そうだなぁ……ボスを攻略しにいくハンターと別れここに戻って来てもらう。そうなると1人で戻って来る事になるが私が結界と、身体能力強化の魔法を掛けておけば大抵のモンスターは追いつけまいよ」
「なるほど」
「しかし貴女は少し役を背負い過ぎでは?」
「私を心配するのか?!ははは!嬉しい言葉だが心配は無用だ!誰が栞をここまで育てたと思っている!」
心配するとはここにいる奴らは紳士だな!
だな私を心配するより先にまずは自分の身を心配する方が私は先だと思うがな!
「それでだ。ボス討伐に向かうメンバーだがまずは私と栞だこれに関しては文句はないと思う。問題は他のメンバーだ、悪いが斎藤外にいるハンターを全員呼んできてくれ」
「分かりました」
☆
「読んできました」
「えっと何でしょうか」
「会議……ですよね?」
ぞろぞろとハンターが入っている。
幾らこのテントが大型とはいえやや手狭に感じるな。
少し居心地が悪く感じなくも……ないかもしれない。
「お前達の中で範囲攻撃が出来るハンターと出来ないハンターに別れてくれ」
私が言うと直ぐに別れ始めた。
いやー殿の時に実力を示しておいて良かった!
こう言う時にゴネられるとどれだけ怠いか分かったもんじゃないからな!!
数秒で綺麗に別れた。
私から見て右にいるのが範囲攻撃持ちのハンター5人で左が範囲攻撃を持っていないハンター7人か。思ったより範囲攻撃持ちのハンターがいるじゃないか。
「思ったより範囲攻撃待ちのハンターがいてくれて助かる。そして悪いがこの中からボスの調査と攻略を手伝ってもらう。範囲攻撃持ちから3人、持っていない方からは4人だな。
足に自信のある奴は手を上げてくれ」
範囲攻撃持ちから2人、持っていない方から1人。
逆の結果を予想していたが、最悪私がカバーするとはいえ思ったより少ない範囲攻撃を持っていないハンターの機動力に不安が残るな。
元の能力が高いと強化された時の能力値も高くなるからお得なんだよ。
しょうがない。私がカバーすれば良いだけだ。
「一応手を上げた人達はランクを教えてくれないか?」
そう言うと範囲攻撃持ちのハンターの1人が声を上げた。
「あ、私はCランクの
「僕はDランクの
ふむ将来性があるから進む道次第で動ける砲台も夢じゃないな。
「え、えっと私は
「栞を除けば唯一の女性ハンターでしかもBランクとは恐れ入ったな。ギルド所属か?」
「一応戦神戦姫のギルドメンバーです」
「「「おぉ?!?!」」」
有名……なのか???
栞にこっそりと聞く。
「女性が多く在籍するギルドの中でも有望株だと有名なんですよ」
「なるほど」
突如私にハンターが話しかけた。
「あの、この中で愛崎さんを除いて唯一の女性ハンターだと言っていましたが貴女は違うんですか?」
「アレ言っていなかったか?私はハンターの免許など持っていないよ。ただ政府と契約した少し特別な存在なんだ」
特別という名の高利貸しみたいなものだがね!!!
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