第12話 使ってないスキルを試してみる
「さて、まだまだ時間もあるしなんかしたいところだけど…」
『まだ触れてないスキルがあるんじゃないか?』
「ん?そんなのあったっけ…って、迅雷のことか!」
『そうだ、あれは身体強化と併用するのがいいだろうな』
「なんでだ?」
『まず、人の体は基本的に電気信号で動いているのを知っているか?』
「そ、そりゃどういうことだよ」
『まあ、簡単にいえば脳から微弱な電気が流れて筋肉を動かしてるんだ。それに迅雷を使うことで、本来よりもパワーを出すことができる。というか、強くも弱くも調節できるんだ』
「そうだったのか」
『さらに、身体強化は魔力を利用する。強化度合いは物理的な身体能力の何十%かをかさ増しするものなんだ』
「だから素の身体能力を迅雷で上げてから身体強化を使うといいってことか」
『物分かりがいいな。その通りだ』
「それじゃ特訓するかぁ」
そうして王都の前で特訓を始めた。
まあ内容としては迅雷を使った走り込みだ。
迅雷を使うことで体力を極力使わない走り方ができるのであまり疲れずに済む。
「エルマイト君、走り込みしてるのかい?」
と、聞いたことのある声が聞こえてきた。
「ええ、まあ。って、カーマイト先生」
「最初に会った時みたいにフロイドでいいんだよ」
「あ、じゃあフロイド先生」
「いいね。僕の授業も楽しみにしておいてくれよ?君の興味のありそうなものを取り扱うから。たとえば…核、とかね?」
「っ…!核の授業、そうなんですね!楽しみにしておきます!」
そう話して俺は家に戻ることにした。
その道中俺はメフィストと話す。
『あのフロイドって奴は、俺たちについて何か知ってるのか?いや、そんなはずはない。なぜ核のことを話に出した?』
「確かに怪しいよな、やっぱり警戒しておいた方がいいのか」
『そうだな、どこから情報を得られているかわからん』
とにかく、何か彼について情報がわかるまではできるだけ情報を漏らさず、彼とは過干渉しないようにすることにした。
「とにかく、今日は寝て明日からの授業に備えるとするか」
『明日から本格的に授業も始まるらしい、部活なんかもあるらしいから入ってみるのはどうだ?』
「なんで俺より知ってるんだよ…」
『入学の時にもらった保護者向けの冊子を読んでるんだよ』
「お前は俺の保護者なのか…」
ちなみになぜメフィストが1人で本を読めているかというと、アルムさんが一族に伝わる設計図を使って【悪魔憑きの人形】というものを作ってくれたからだそうだ。
その人形に取り憑くことで1人で動けるようになるというカラクリである。
ちなみに魔術師には喋る使い魔を連れている人も多いらしく、これを使えば怪しまれることなくメフィストと会話できるとのことだ。
使い魔の召喚授業は、学校のカリキュラムにも含まれているそうなので、同級生はほとんど連れている人はいなかったのも納得だ。
その授業は来週から始まるとのことだ。
他のクラスメイトがどんな使い魔を召喚するのを楽しみにしながら俺は眠りについた。
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