第9話 波乱の学校生活の始まり

クレアと別れ、家に向かう。

そのままギルドで依頼の報告をすると、学校側から何かしらの通達があったようでDランクになっていた。

ランクによってダンジョンの入場制限があるらしく、強い魔物に会うためには結局ランクを上げなくてはいけないことがわかった。

ちなみに、流水魔術のランクも教えてもらい、中級まで使えるように特訓もした。

初級がウォーター系、中級が希水アクア系、上級は厳水リヴィエール系、超級は濁流フラッド系と分類されるという。


「そしたら今日は寝て、明日からの授業に備えるかなぁ」


◆◆◆


そして始業式…

なんてものはなくすぐに授業が始まるようだった。

アルムさんから受け取った服も着て準備は万端だ。


「おはよう諸君。今年度の君らの担任、ハイルだ。1年間よろしく頼むぞ!」


「先生ぇー、コイツ誰ですかぁー」


男子グループのトップっぽいのが俺のことを指差しながらそう言った。


「彼か、彼は今年から編入してきたエルマイト君だ。自己紹介は後で自分たちでやってくれ。ちなみに彼は特待生として学費は無料で入っているからな、みくびってるとボコボコにされるぞー?」


そうハイル先生が言うと、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「えぇっ!!あの人特待生だったのですか!!まあ、それは強いわけですね…」


後ろを振り返ってみるとそこにはクレアがいた。


「おう、クレアじゃないか。同じクラスだったのか」


「そうみたいですね!」


「おっ、おいお前!クレアとどういう関係なんだよ!」


そう言ったのはさっき俺のことを指差してたやつだった。

ははーん、そういうことねぇ。

こりゃいじめがいがありそうだ。

と言っても表向きは俺がいじめられる側なんだろうけどな。


「まあ、ちょっと色々あってな…」


「色々ってなんだ色々って!!」


「たいしたことじゃないよ」


「そ、それならいいけどよ…」


ということで授業が始まるのだが、

これだけは先に言っておかないとな。


「先生!俺、魔術の勉強はしません!」


するとクラス一同、


「「「はぁ!?」」」


と息のあった返事をした。

しかし先生は、


「あぁ、エルマイトは座学の講座はとらなくていいことになってる。その時間は自由にしててくれ。ただ座学以外には間に合うように来いよ?」


「分かってますって」


「つーかてめえ!魔術の勉強しないのにここに何しにきたんだよ!」


「いや、俺は無理やり編入させられた側だからさ」


「才能ある魔術師の保護のためだ。裏社会の組織なんかに悪用されないためだよ。」


そう先生が付け加える。

ちなみに、さっきからいちゃもんをつけてくる彼はリチャード君というそうだ。

とりあえず伝えるべきことは伝えたし授業に集中しようと思う。


「とりあえず、君たちの一年の成果を見たいのと、君たちもエルマイトの実力を見たいだろうから演習を行う。演習場に各自集まってくれ。私は少し準備があるので後から行くがすぐ着くぞ」


そう言って一度解散となったのだった。

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