第7話 魔力

 朝になったら腕の痛みはなくなっていた。

 レベルの恩恵かな。


 今日はどうしよう。

 話では冒険者は毎日討伐しないらしい。


 とにかくまずは通知だ。


 『エピソードに応援 第1話』から『エピソードに応援 第6話』までの新しい表示は、14人だ。


 続いて『第4話 大道芸 - バードの人生』とあって、それからコメントがある。

 『がんばって修行します』と返しておいた。


 『第5話 ギルド登録 - バードの人生』とあって、それからコメントがある。

 『ギルドカードの無料は嬉しいです。有料は困ります。』と返しておいた。


 『作品に☆レビュー』の新しい表示は、1人で、☆の数は現在26だ。


 今のカキヨムでの成績は。

 フォロワー16。

 ☆26。

 ♡52/5。

 累計PV194。

 獲得PV52。


 フォロワー数が下がった。

 参った。

 ただでさえ少ないのに。



 そうだ魔力を使おう。

 冒険者ギルドに魔力を使う依頼がないか見てみよう。


 冒険者ギルドに行くとオリビアが待っていた。


「さあ行きますわよ」

「今日は討伐はやらないで魔力を使う依頼をやりたい」


 がっくりした様子のオリビア。


「仕方ありませんね。腕を見せてごらんなさい」

「えっ、腕?」

「遠慮なさらずに」


 オリビアに右腕をまくられた。


「変ですわね。痣になっていると思いましたのに」

「そう」

「ゴブリンの棍棒はあなたの腕より太いので、打たれると骨折することもありますわ。防具の上から打たれたのならともかく、シャツの上からでは、かなり痛むと思っておりましたが」

「レベル持ちなんだ。8割増しらしい」

「レベル持ちは、全てまんべんなく強化されると伺っていますわ。羨ましいですわね」

「オリビアのスキルは何?」

「言いたくありませんわ」

「なら、無理に聞かない。じゃあ今日はさっき言ってた依頼って事で」

「仕方ありませんわね」


 オリビアは躊躇なく依頼書を掲示板から剥がした。

 そして俺に突き出した。

 手に取ってみると、魔道具への魔力の充填だ。

 依頼料、銀貨6枚だ。

 いい稼ぎになる。


 うってつけの依頼だな。

 依頼受注の手続きをして、依頼者の待つ家へ。


 ドアをノックするとメイドさんが現れた。


「魔力の充填の依頼で来ました」

「あら、オリビアさん、あなたが依頼を受けて下さったのね」


 んっ、オリビアの顔見知りか。


「今日は付き添いですわ」

「俺が担当します」

「そうですか。ではこちらに」


 厨房に案内された。

 竈に薪を入れる所がない。


「コンロの魔道具と生水の魔道具ですわ。魔石に手を当てて充填するのです」


 コンロはあれだな。

 魔石が嵌っているのでそれに触った。

 体の中から吸い出される感覚がある。

 今の魔力が22で30ぐらい使ったな。


 生水の魔道具は筒の先に魔石があった。

 触って充填する。


 俺の魔力が全てなくなった。

 俺の魔力では全ては無理らしい。


「ええと、魔力が足りません」

「仕方ないわね。わたくしが代わりにやって差し上げますわ」


 オリビアが充填を終えた。


「完了のサインをお願いします」


 サインを貰って引き上げる。


「何にも聞きませんのね」

「オリビアが魔力を持っている事か。スキルに関係してそうだから聞かなかった。聞いて欲しいのか」

「いいえ、聞かないでくださいまし」


「ちょっと武器屋に寄りたい」


 頷くオリビアを連れて、武器屋に入る。


「素人にも使える剣がほしい」

「がははっ、正直な奴だな。気に入ったぜ。今の得物は何だ?」


 店長に気に入って貰えた。

 俺は鉈を見せた。


「坊主、この延長でいくと剣鉈だな。数打ちしか置いてない。銀貨23枚だな」


 剣鉈は剣と鉈をミックスした形だ。

 これなら突きの攻撃も出来る。

 刃渡りも5センチぐらい長くなる。


 手持ちの金で買えるな。


「ちなみに剣は?」

「数打ちだと金貨1枚だな。だがやめておけ。すぐに折れる。剣鉈なら分厚いから無茶しても折れない」


 金貨1枚は遠いな。


「オリビアの剣っていくらした」

「金貨8枚とちょっとですわ」


 くっ、そんなに高いのか。

 オリビアって金持ち?


「あなたも魔力の充填を頑張ればすぐに貯まります」


 思考が顔に出てたのだろう。

 オリビアにそう言われた。


 ところがね。

 俺の魔力は0/5だ。

 5しか回復しない。

 応援と応援コメントに期待だ。


「剣鉈をくれ」

「おう、まいど」


 ここまでの事を『第7話 魔力』というエピソードタイトルで記した。

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