第23話


 怪我を負った冒険者と家が被害にあった住人なんかは仮の住まいとして宿屋とギルドの簡易宿泊所が用意されることに。

 費用やなんかは後から領主が補填したり国から補助が出たりするんだって。

 ほったらかしじゃ無くて一安心。


 ある程度、炊き出しや病人の移動なんかを済ましてから俺たちは棲家に戻った。

 エイミーたちも一旦帰宅して休憩するらしい。


「はぁ~」

 リドルとミクが俺のした事を細かく報告した後、リックたちに盛大にため息を吐かれる俺。解せぬ。


「よく頑張ったな」


 叱られるんだと思ったら労われた。


「冒険者になりたいって言ってんのにこんな非常時でも制限かけられて辛い中、人助けをしたんだ。お前は立派な冒険者だよ」


 リックが抱きしめてして中をトントンと叩いてくれてガルムが頭をガシガシ撫でてくれる。


「よくやったぞ。ツバサ」


 サイラスも褒めてくれた。


 ルランもクリスも頷きながら笑ってくれた。


「逃げ遅れた人を助けるなんて勇気あるな。えらいぞ」


 俺としてはもっと魔法で戦ったりとかやりたかったけど、妊婦さんと子供を助けてあげれたのは良かった。


 たくさん褒められたので、出先で一戦構えて来て緊急で帰還して来てそのまま殲滅活動までしたみんなに美味しいご飯出さなきゃ。



 ガルムも料理する気満々みたいなので一緒にキッチンに立つと。


「ガルム、疲れてないか?休んでてもいいよ?」

「ツバサと一緒に作るなが楽しいし疲れも飛ぶんだ」

「そっか」


 ガルムにトンカツの仕込みを任せて、まずは冷凍食品から、牛丼と味噌ラーメンを用意してお腹ぺこぺこリックたちに出す。


 カレーはレトルト。

 サンドイッチとかすぐ食べられるものは一気にテーブルに出しておく。

 ガルムにもすぐ食べられるものを出していく。


「はぁーうめぇ!帰ってきたらうめぇ飯が食えるって言うのは良いな!!」


 リックとサイラスがガツガツと牛丼を食べてる。ラーメン伸びちゃうぞ。

 リドルとミクがフライドチキンを希望したのでそれもたっぷり出した。


「ふわぁうま〜♫」


 耳と尻尾がピクピクフリフリで可愛いぞ。


 トンカツが揚がったからカレーに乗っけてウインナーもサービス。

 ルランもクリスも嬉しそうに食べてる。


 すごい量を食べてるけど、距離を移動して討伐もこなしてるんだからエネルギーもかなり消費したんだろな。

 たんと食え。


 ハートには甘味。ケーキバイキング並みにたくさん出して、フルーツも用意。


「はぁ、生きかえる」

 

 俺のチートは戦力じゃ無くて食い物に発揮されるな。ちょっと微妙。でも役に立てる場面があって良かったよ。



 ビールやワインも足してあげて日本酒やウィスキー、泡盛も出してみた。

 お疲れ会だから奮発よ。


 ついでなんで神様たちに色々貢いでおこう。


 機嫌が良くなってくれれば、この町の復興になんらかの慈悲がいただけるかも?

 直接の干渉は出来ないらしいけど、豊作になったりとかちょっぴりあれば良いな。


 せこいか。


「よし!ツバサ、風呂入るぞ~」

「いや酔っ払い!!酒入ってるんだからやめとけ。起きたらにしろ」

 

 みんないい気分になって上機嫌だ。

 つまみもたくさん用意してるけど酒しか減らなくなった。


 ハートはずっとケーキ食べてる。


 ガルムも料理はもうおしまいでウィスキーを飲んでる。

 あんま強いもの出しちゃうと普段飲んでる酒が楽しめなくなりそうだな。

 ちょっと反省。


 みんな深酔いするタイプじゃ無いんだけど流石に疲れたのか酒瓶もったまま寝ちゃった。

 ハートはケーキ皿持ったまま。


 倒れたり引っ掛けたりしたらまずい物をリドルとざっと片付けてゴミはゴミ箱ボタン押してポイ。


 流石に俺も眠くなって来たのでリックの懐に潜って寝た。


 やっと安心できる。






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