第13話 まぁやっぱりケモ耳は可愛い
とりあえずバーガー祭りが終わって、ケモ耳を二人ともお風呂に連行。ガルムが。
ハートとルランは着るものとか買いに、ついでにギルド長にお知らせって出かけてった。
リックには、
「ツバサ、人買いに遭って逃亡とか、普通あんな感じになって保護されてくるからな?」
って言われた。あー、そりゃバレバレだよね!仕方ないね。今更ね!
ケモ耳兄はリドルで14歳、妹はミクできて10歳。
お風呂の中でガルムが聞き出した。
ミクは奴隷の時の主人の暴行で喉が潰れているらしい。
二人は隣国ワルス・ギールから逃げ出してなんとか狩をしたりその獲物を途中の村で必要な物と交換したりして食い繋いできたけど、どうしても食べ物が足りずミクが屋台や出店で、時には畑で盗み食いをしちゃって。
痩せ細った子供で話せない様子なのを見てほとんどの場合は見逃して貰えたり、食べ物を貰えたりで、何とかここまで移動してきたと。
ただこの棲家の近くでいきなりミクが何かに反応して疾走して見失って、何とかミクの匂いを辿って追いかけてきたのがさっきの結界作動の時らしい。
苦労性の兄だ。
「ワルス・ギールなぁ」
ってリックの言葉にちょっと吹きそう。
【悪過ぎる】ってっw
戦隊の悪役とかそんな感じだったなぁ。
【アクド・スギール】【ヨクブ・カーイ】とかありそう。
まぁ実際は日本語じゃないから意味が違うんだけどね!
ケモ耳っ子二人は丸洗いされて髪も整えられて、クリスの寝巻きのシャツをとりあえずワンピースみたいに着せられて戻ってきた。
小綺麗になるとやっぱり可愛いな。
二人は灰色髪狼の獣人なんだって。
リドルは環境のせいか普通の獣人より少し小さいらしい。ミクも多分そう。
奴隷の待遇がどんなのかわからんけど、乱暴に扱ったら仕事出来んじゃん?逆に暴行用とかそう言う扱いなの?ひどいじゃん?
まぁそうね。ミクがまた俺に齧り付いてるのなんなん?俺そんな美味しいの?
なんでこうなってるのかはリドルも分からないらしい。分かんないのは仕方ない。ただ剥がして欲しい。
『ツバサ、ミクの話が聞きたいなら回復薬か治癒魔法使ったらいい』
ん?そう言えば《調薬》持ってた。
魔法でもいいのか?薬使うのと魔法使うのどっちが怒られない?
『今更どっちでも怒らないと思うけど』
そっか〜、でも材料が無いから魔法かな。
せっかく?張り付いてくれてるので首元に手を添えて。
(エクストラヒール)
呪文唱えるの恥ずかしいなって思ってイメージでやってみた。
ブワッピカー!
ミクに風がふわっと巻きついて首元が光る。
「・・・」
リックとガルムが固まってて。
クリスもびっくり。
「ツバサ。何かするならまず相談しろと・・・」
おおぅ、俺だって別にあんなになるって思ってなかったよー。
「・・・て、てへぺろ〜?」
ぐりぐり〜ってこめかみ挟まれた。
「あ・っ・・・あー」
ミクはずっと話せて無かったからしばらくはリハビリがいるだろう。回復士のルランに任せちゃおう。
リドルは膝をガクって落として泣き出しちゃった。お兄ちゃん頑張ったんだな。
一生懸命踵を上げてヨシヨシしてやるぞ!
決してもふもふしたかったわけじゃ無いんだからね!
まぁ未だにミクが離れてくれないからもふもふサンドイッチでちょっとすごいんだけどね!
ヤキモチ妬いたのかヒョウガまで俺の頭に乗って俺うっかり窒息しそうなんだけど!
やっぱりAランクの彼らが助けてくんないから!俺の中でCランクまで格下げなんだからー!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます