第11話 お・・・俺にも出会いが・・・?
教会でなんか言いたそうな神官さんたちをケムに巻いて逃亡して。お昼ご飯食べに町を歩くことに。
でもね、
「俺はツバサのご飯が食べたいな」
「俺もツバサに胃袋掴まれたわ~」
なんて言い出しちゃって。
食材をしっかり買って棲家に帰った。
変わった食材がないのがつまんない。
今日は何が良いかなー。お昼ご飯。
サンドウィッチ〜が良いかなぁ。夜はお肉だし。
自分のアイテムボックスの持ち物を検索。
レトルトシリーズも完備されてるぞ!んんん。なんて言うかリックに拾われてなくても飢えることがない充実度だよ!使ったらその分元に戻るし。そもそも単位が1ダースどころか100ダースくらいあるのだ。
エンファスさまもライオウさまも太っ腹だよ。
好き!愛してる!
「リック〜!パン系とヌードル系どっちが良い?」
この世界にもヌードルはあった。味は薄いけど。
リックとガルムが顔を見合わせてむっちゃいい笑顔で、
「両方で!」
って。食いしん坊か。
サンドウィッチと合わせるからラーメンじゃなくてパスタにしよう。
ガルムに手伝ってもらって食パンの片面にマヨネーズ、もう片方に喫茶店マーガリン。
レタスっぽいやつを適当にむしってクリーンしてパンにならべる。粒マスタードとか適当にかけてさっき買ってもらったハムをデーンと。あと面倒だからスクランブルエッグにした卵。
ハムチーズ、卵チーズの2種類。
レトルトのパスタは香味野菜ペペロンチーノ。カルボナーラ。明太子パスタ。
凄い量食べるからいっぱい用意。
ガルムがせっせとお湯を沸かして湯煎。
レンチンしたいな。
お昼が仕上がったらクリスとルランとハートがいた。サイラスはお泊まりらしい。
ガルムがさらに追加を用意している。なんでみんなで作らないのか?
「パンが柔らかくてふわふわしてる〜」
ルランがめちゃくちゃ笑顔だ。
パンは戦場カメラマン一押しのやつだぞ。
俺はデニッシュパンとかも好き。
大騒ぎで勢いよく机の上のサンドウィッチとパスタが消えていく。
「ハートしゃん、きょのまえはごめんしゃい。あみゃいのが食べれゆ?」
昨日ぶっ倒れてしまったハートさんに特別にイチゴと生クリームのサンドウィッチを差し出す。アイテムボックスに入ってた。
ぶっちゃけコンビニ系の食べ物もスイーツも網羅されてるけどある程度はこっちの食材使わないとね。
「あーハートだけ狡いよー」
ルランが文句言う。みんなもジトーっと見てる。もう!いっぱい食べてるのに!?
ハートさんがフワッと笑って食べてくれた。しかも美味しそうにしてる。良かった〜。やっぱエルフさんは綺麗だなぁ。
お上品に黙々食べてるハートさんを見てみんながもう涎垂れそうにしてるから何か意地悪してる気分になっちゃって。
お詫びだったのに困ったもんだ。
ハートさんに出したやつとは違うフルーツサンド類をいくつか出した。
ハートさんが俺の頭をなでなでしてくれる。指輪の話のエルフさんみたいな男前が目の前にいる世界線に俺は居る!すげぇ。
きっといつかエルフのおねぇさんにも会えるよね!
「うわぁこんな甘いおやつ初めて!」
「これは美味しいな」
強奪に近いおねだりをしたAランク冒険者達が喜んでいる。
そんなに甘いのが好きなら、サ○ゼのメ○○ガータとか外国のお土産でもらった系のやつとか出したろか?
みんながご飯やおやつに夢中で俺が呆れてる時、開いてた窓から何か飛んできて俺は吹き飛んだ。
「!!!???」
みんながそれぞれ武器構えたり魔法を繰り出そうとしてるけど、俺既に吹っ飛んだからね。
ヒョウガも毛を逆立てる間も無く目だけ見開く感じになってる。
『ツバサ!!無事か?殺気も何もなかったのになんだ!?』
いささかぶつけた背中が痛いけどまずは確認しないと。
フワッとした何かが顔と腕に当たって周りが見えない。
ガッチリ抱きつかれて動けないんだけどこれはもしかしてもふもふ従魔との出会いイベント?もうヒョウガいるよ?
やっとリック達が助けてくれる。君たち本当にAランクなのですか?俺死んじゃうかもだよ?
「全く気配も殺気も無かった」
「結界を抜けてきたのか?」
って小さい声で話し合ってる。
そしてやっと視界が取り戻された。
ケモ耳美少女・・・だと?
年は10歳くらいかな?耳と尻尾のついた美少女がいる。
そして彼女に何故か吹き飛ばされた俺がいる。
『ツバサ、多分なんだけどご飯の匂いに釣られてきて今はツバサの匂いにやられてるぞ』
えっ?俺体臭臭いの?
ガーン!加齢臭ヤバめ?
『違うよ!ツバサから発せられる魔力のにおいが甘い香りなんだ』
魔力って匂いあんの?
ケモ耳の美少女が机の上にあった残りをガツガツ食べてる。
何か美少女なのにガッカリだよ!
ガルムがまた料理の追加を作ってる。優しいな。
みんなも結界確認しに行ったり美少女の気配を探ったりしてる。
ケモ耳美少女が現れたら出会いイベントとかフラグって思ったけど何か違った。
俺は主人公じゃないんだなぁ。
ちぇー。
呆然としてたらヒョウガが肉球のある手でぽむっと慰めてくれた。
俺にはお前がいるよ!うん。
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