第10話 女神像が全然似てない!嘘だって言いたい!
今日はリックとガルムが教会に行こうって言う。俺と合わせてくれたエンファス様にご挨拶だって。
町で一番大きな教会は前世のイタリアとかイギリスの教会って感じかな?
石造?レンガ?
中もステンドグラスで光が反射してて綺麗。違うのは神様像が複数あって。
神官さんみたいな人がリックたちに平身低頭って感じで歓迎してくれて。
他にもお祈りに来ている人いるんだけど俺たちを奥の間に案内してくれた。超VIP〜。
神官さんはそっと出ていった。
表の神様像より凝っってるけど半分くらいのサイズで寄り近くでお顔を拝観出来る感じ。
この国の教会は愛と調和の女神一推しらしいってことはこの真ん中がアイツってことか!!
他にも女神像があったけど真ん中の左側にはエンファス様っぽいのがあるし、いろんな神様の像なんだろうからやっぱり真ん中だな!
作ったヤツ実物見たことないんか?美化なの?いやエンファス様はイケメンだからさほど偽ってないけど。
「おい、ツバサ。どうしたんだ?猛獣が威嚇して来る時みたいに歯剥き出して」
リックに口をムギュッとされる。
「ンギギギッ」
だってだって!!なんでアイツが超おっぱいバインなセクシー美女な姿で祀られてるの?ありえないんですけどー?
思わず地団駄踏むわ。ダムダムしてるとガルムが抱き上げて背中ぽんぽんしてくれる。グズってるわけじゃないよー。
あの自称女神は、確かに美形だがツケマつけて濃いめの化粧に、筋肉タレント張りのマッチョで雄ッパイで!話してるうちに青髭になっちゃうオネェさんだぞ!!!
喉仏もばっちり確認できちゃうツ○ケン張りのハスキーイケメンボイスなんだぞ!
せめて悪役美女系で甲○田様か永遠の17歳ボイスにしとくべきだろが!
しかもドジっちゃった☆とか言って死なせておいて、さらにドジるとんでもオネェなんだぞ!
くっそー!世の中に真の姿を知らしめたい!!!
彫刻の神様!絵画の神様!何でもいいから何か表現の出来る能力をください!!
お酒でもおつまみでもお供えしますからぁ!
『あ』
ピッカー!
右側の厳つい神像と左側の吟遊詩人みたいな格好の神像が光ってキラキラとした粉が俺の上から降ってきた。
え?やらかした?
「おお、ツバサなんかすごいぞ」
ガルムが光に感動している横でリックが頭抱えてる。なんかごめん。
どうやら炎と鍛治の神ゲルマ様と風と芸術の神フリューネル様の加護を頂いてしまったらしい。
《強めの酒を頼む》
《甘めの菓子が良い》
おっと、お供え目当てだった。
「ツバサ、一体何を願ったらこうなるんだ」
えー、日本人は神様仏様〜って適当に言っちゃいがちなのだ(俺調べ)。まさかこんなあっさり願い事が聞いてもらえるなんて思わないじゃん?
「え・・・えへ?」
「とにかく今後教会で直接的なお願いはするな」
リックに眉間を人差し指でグリグリされた。酷いー!俺無罪!!
周りにバレないうちに帰ろうってなったけどお祈りの間をでたら神官さんと巫女?さんが平伏してた。
「リック様、ガルム様。先程の神のご威光は一体何事でしょうか?」
うわー、この人たちちゃんと解っちゃうんだ。どうしよう?
「何事と言われても俺たちはただ祈っただけで何も起こっていない。オース神官こそ何事だ」
リック、しれっと知らんぷり作戦に出たー!
神官さんは怪訝な顔しているけど神職じゃない人間に神のご威光なんて普通感じれないもんね?ね?
「・・・そうですか。騒がしくして申しわけございません」
おお、Aランクのご威光のが神官より強い?やっぱ強い冒険者になるのが一番だな。
今日は高級な牛肉でわさび醤油とステーキソースのダブルな贅沢を二人にさせてあげよう。助けてくれたからね!
しっかし他の神様の姿はわかんないから比べられないけどクネクネのあれは許せない。マジで有り得んからな。ポージングもそっくりな像を作ってやるから!覚えてろ!
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