第8話 草原での出会いをちょっぴり期待した
リックが俺の気晴らしに街の外出てみようって言ってくれて。
ほぼ肩車で移動。楽ちん。
門の外はちょっと土埃たってる。道も荒れ気味だなぁ。
街に入るために待ってる人たち見ると結構やつれてたり着てるものも少しボロい。
そりゃリックが保護するって言うよな。俺の服むっちゃ高そうだし。
街の中の人見てもすごい潤ってる感じはない。荒れ過ぎてもいないからちょうどいい感じなのかな。
「ツバサー、これがポポンタ草。こっちがヒールダ草。初心者向け依頼の対象だ」
ほえー。ポーションとか作っちゃうやつ?
今は見習い扱いだからとってもランクアップ条件に入らないんだよねぇ。しょんぼり。
「買取はしてくれるから小遣いにはなるぞ」
おお?お小遣いは大事だ。
ちまちまと草を取ってるとキャァー!って叫び声。リックが一気に臨戦体制ではヒョウガも構える。
俺はどうしたら?拳法のポーズとっとけばなんか撃てるかな。
声がした方角から女のが走ってくる。後ろになんかでっかい赤猪がついてきている。
なんだあれ?
「マーダーレッドボアか!」
リックが剣を振るう。ヒョウガも援護してるし問題なさそうだ。
女の子が怪我をしているので俺は少し離れた場所まで連れて行って手当を。多分ヒール使える。マジックバッグから風にして消毒液出してかけてみた。そのあとヒール。消毒いらんかもしれんけど気分的に。
怪我が太ももだったからちょっとセクシー注意だったけどちゃんと紳士で手当てした。
リックが既にボアを倒してたのでおお~って思ったら女の子も目がキラキラ。
そうだね。5歳児とイケメンが並んでたらイケメン見るよ!
草原で出会って恋に落ちてパーティメンバーになるとかベタなのほしーな。
女の子15歳くらいだから範囲外か。
ボアが大きいので俺のマジックバッグに収納。ギルドで解体してもらったらお肉祭りだ。
「なんでボアに追われてたんだ?」
リックが質問すると彼女はFランク冒険者で仲間と薬草探しに出てきてボアに遭遇して仲間が四散して逃げているらしい。
マーダーレッドボアはこの近くには出ないはずの魔物らしい。すぐにギルドに連絡して調査する人間とはぐれた冒険者を探しに行かなくちゃって事で《竜の瞳》も調査に出ることに。
俺はギルドでお留守番。
待ってる間にマーダーレッドボアの解体をお願いした。今夜の肉はカツか生姜焼きがいいな。
おうちに戻って作りたいけど一人で出歩くの禁止されてる。
数時間経ったらみんなが戻ってきた。
他にも少し小物が出たが心配ないらしい。
ただ女の子の仲間の二人は重症で一人は間に合わなかったらしい。
若い子たちの犠牲におっちゃんたちがどんよりしてる。
命が散るのは寂しいからしかたないよね。やりきれないよ。
「冒険者はいつもこんなことがあるんだ」
リックが俺の頭を撫でてくれる。
そりゃ一応知ってるよ。
でも割り切るにはまだ慣れないな。
ボアの素材の半分を女の子に渡して。
「あ、ありがとうございます!!助けてもらったのに・・・」
仲間の治療費や亡くなった子の家族だっているから全然足りないだろうけど全部あげるのは気にしちゃうだろうってリックが。
チクショー!カッコいい。
女の子がリックを見つめて真っ赤になってる。漫画ならさ、ここは俺に出会いがあるシーンだよな?5歳じゃ出会えないってか。
まぁいいや。今日はトンカツだい。
帰る途中にキャベツっぽいやつとオレンジっぽいの買ってもらった。
気分は(てやんでぃばぁろーちくしょうめ)って感じだが、まぁあの子たち全員が亡くなる可能性があったんだから助けられて良かったよなぁ。出会いイベントじゃなくってもさ。クソ女神を呪っておけば良いんだ!クネクネ~もげろ!!!
帰宅後、ガルムに手伝ってもらってトンカツ揚げて。バッグから独身の最強お供さと○の○飯を取り出してトンカツ定食!
汁物は、○さげ。ソースは中濃のとか○てみそ。キャベツっぽいのには胡麻ドレ。
完璧な布陣でいざ食らえ!イケメンども!
ボア肉ってどんな感じかちょっとドキドキしたけどうまい。まぁ採れたて新鮮だしね!
熟成した方がうまいのかな?素人が手を出して腹くだすのも嫌だから深くは追求しないけど。
みんな味噌汁の色に引いてたけど口に入れた瞬間一気に飲んでた。味わうものだろう?
味噌もソースも見慣れないとやばい色に見えるみたいだ。黒いから。
リックは野菜嫌いだったみたいだけど胡麻ドレで克服したっぽい。すげぇな!胡麻ドレ。
肉も何度もおかわりして。あれもしかしてこのイケメンたちを太らせれば俺にもモテチャンスが来るんじゃね?って思ったけど食った分消費してきそうだから意味なさそう。
揚げ物をしたキッチンが臭くなっちゃってたのでクリーンで綺麗にしておく。食べ物のとこは清潔にしないと俺の腹がやばいからな。寝床はばっちくしても飯関係は綺麗にしないと。
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