第6話  ソーダってたまに飲むと喉にくるよね

 誘拐の心配があるからって付き添いしてくれたのに、速攻奪われたらダメじゃん!

 エイミーじゃ無かったらそのまま逃走してるよね。

 エイミーはクララとララァに抑え込まれているので、デスデース&キャロライナ極をマジックバッグから取り出して、3滴お口にいれます。

「エイミーしゃん♡あーんしてください」

 むっちゃニコリンしてスプーンを口に持っていきます。

 俺の笑顔にはにゃんと崩れたエイミーのお口にイン☆


「亜“---------ぁぁああんババアバッげにゃぁあああ-------------」

 魚の水揚げみたいにビチビチしちゃった。パンツみえちゃったよ!

 リックが毒を盛ったのかとドン引きしてる。


「こりぇはお肉やスープに使うと辛くて美味しい調味料でしゅよ。エイミーにサービシュしたの」

 ニコニコで話す俺に周囲の女たちは、

「恐ろしい子」って白目剥いたとか剥かないとか。


 あまりの絶叫と女性として悲しすぎる涎鼻水涙まみれの惨状にやりすぎちゃったかな?と思いつつ、無理矢理すりすりするのはダメじゃん?って開き直っとく。


 そのあとついでにギルドに寄ることになった。リックがなんか良さげな依頼を確認してると今度はイカツイ兄ちゃんたちにキラキラした目で見られてる。さすがAランク!


 リックたちは、もう結構稼いでるからガツガツは依頼をこなしてなくて、ギルドの指名依頼をたまにこなすだけで良いらしい。

 依頼チェックは珍しい薬草とか新しいダンジョンとか楽しそうなのがあればやろうかなってことで。

 特に珍しいものが無かったから買い物に戻ろうと出て行くことに。


 食材はまぁまぁ揃うけど調味料や香辛料は種類が少なかったのでちょっぴり残念。

 アイテムボックスの中には色々揃っているけど下手に使えないなぁ。

 俺が一人でいる時しかダメ?冒険者だったらソロキャンっぽくやってけたかな?

 でもせめてマヨネーズだけは!使いたいよ。


『リックはエレミアさまたちが選んだから色々伝えてもいいと思うぞ?隠れてモノ食べるのは無理だろうし』

 もんもんと悩んでたらヒョウガが念話で伝えてきた。

 そうなんだ?転生者って言うのもいいのか?

『リックは大丈夫。他のメンバーに伝えるかはリックに任せたらいい』

 そっかー。

 パーティ専用の棲家あるわけだから外で何かやらかすよりはマシかな?


 リックの上着の裾を引っ張って、

「おやしゃいとあっちにあった果物買ってくだしゃい」

って伝えて帰宅することにした。


 夕飯まではあと少し時間があるのでリビングには誰もいない。リックは買ってきたものをキッチンにドンって置いて飲み物を持ってきてくれた。

 デスデースソースの刑は今日は見送って、これから自分のことを少し話すことに決めた。俺はとりあえずマジックバック経由でコーラを出した。

 この世界にないものをリックに進める事で話のきっかけを作るのだ。

 せっかくなのでリックの持ってきてくれた果実水を俺は飲むわけだけど。

 コーラの開け方がわからないようだったので開けてあげることにした。


“プシュ!!”

 

 コーラから発せられた破裂音にリックとヒョウガが一気に緊張状態になって。

「あー!リック、大丈夫。これは飲み物でしゅ」

 剣の柄に手をやって殺気放ってるリックに焦っちゃった。デスデースソース出すよりやばかった!

 ヒョウガの毛も限界まで逆立っちゃってて。マジめんご!


「『飲み物?』」

 ヒョウガもなんでも食べれるっていってたので飲み物もオッケーかな?って事でコップとお皿もマジックバッグから出したことにしてコーラを注いだ。

 しゅわしゅわな炭酸に無茶苦茶警戒されてる。逆にめんどくさくなっちゃった!


 怪しすぎて手に取りたくないようなのでペットボトルに残った分をそのまま飲んでみせる。

 うむ。この体も炭酸に慣れてないから沁みるな~。でもやっぱうまいよね。


 毒味を済ませたのを見て二人?とも恐る恐る口につける。

 ヒョウガはびゃってなって、リックは眉毛寄せてる。

 そーいえばコーラって香辛料とかの味なんだっけ?薬臭い?

 レモンやオレンジの炭酸にしとけば良かったかな?


「・・・よく分からん味だがこれはツバサの国のモノか?」


 この国でも他の国でも無く違う世界ね。


「リック、ボクはこにょ世界にょ人間じゃにゃい・・・」

 真面目な話でも噛むの辛いな!


 リックはじっと見つめてきて続きを聞くために座り直した。


「あにょ森にヒゲと喉仏の神にぽーいってさりぇたにょ」

『ヒゲと喉仏って言っちゃったよ』

 アイツが美と調和なんて認めないぞ!


「ヒゲと喉仏の神は聞いた事ないが・・・」

 困惑するリックにとにかく説明。

「ぽーいってしゃれた時にほんとにゃらリックに拾われるはじゅって聞いてたにょ。でもヒゲのやちゅ、間違えてじゅれた~って」

 カミカミなので、すごく分かりにくいだろうけどちゃんと聞いてくれてる。


「ヒョウガはかみにゃりと狩猟の神しゃまがヒゲのが失敗して悪いからってマジックバッキュにいっぱいおくりもにょちゅめていっちょにきゅれたにょ!」

 面倒臭くなってきたのでここでニコッとあざとアタック!!

 子供好きは笑顔を向けられると内容は気にしない!!!はず!!(偏見)


『エレミアさまとエンファスさまへの敬意の違いがすごい』


「ヒゲの神はわからないけどエンファス神が俺にお前を託してくれたんだな?」


 お?神さまへの信仰ってこの世界強いのかな?

 リックがコーラを再び手に取って眉を顰めつつ嚥下した。さっきより炭酸マシになってるよね?

「マジックバッグに贈り物いっぱいって言うのが怖いが・・・外で出すなよ」

 俺の頭をぐりぐりなぜてくれて後ろを向く。

「お前らも内緒にしてくれよ?」

 ガルムとクリスとサイラスとあと二人、知らない人がいる!!!

「えらい爆弾連れ込んだなぁ」

 ホワホワとした美少年となんかエルフっぽい人がいる!!

 どうやらコーラ開けた時のリックの殺気でみんな降りてきていたらしい。


 美少年がペットボトルをマジマジ見て、

「ボクにもちょうだい」

って言うもんだからコーラとジンジャーエールと何となくエルフの人に桃味のサイダー出してみた。


 みんな炭酸にびっくりしてるんだけど、エールって炭酸効いてないっけ?


 下手にデスデースソースの餌食にするより炭酸が思わぬ攻撃になっちゃったよ。

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