第5話 イケメンに群がるお姉さんズとショタのお姉さんはどっちが怖い?
朝起きて、リックの顔がそばにあってめちゃくちゃ驚いた!
目を瞑っていてもかっこいいぞ。眉毛と目の間が近くて鼻が高い。
何となく嫉妬に燃えてるとパチっと目が開いて起きる。アイスブルーっていうのかな?綺麗な青い瞳で俺を見つけて、スッと笑顔になる。俺が女だったら失神しそうだ。
「おう、おはよう」
軽い伸びをして俺を持ち上げ、ついでにヒョウガも抱き上げる。
一階の水場に連れてって俺の顔を拭き、歯磨きとコップを渡す。
木を割いただけの痛そうなやつだけどこれしか無いなら仕方ない。歯磨き粉はない。磨いた感がイマイチなのでミントかなんか爽やかなの欲しいなぁ。
リックは歯を磨いた後小さいナイフで器用にヒゲを剃っている。
無精髭伸ばしててもきっとモテてる。
ダイニングに行くとガルムが既にご飯用意していた。
クリスは基本夜しか出てこないし、サイラスは女の子のうちにお泊まりで、他の二人は仕事だったりでほとんどいないらしい。
朝ご飯は、リックとガルムが昨日の残りのパンと肉を食べるんだって。
俺は別に特に拘らない方だけど流石に野菜食え!?って思う。野菜売ってないんか?
ヒョウガにもお肉出してくれて、その様子をガルムが目を細めてみてる。可愛いもの好きかな。
そして俺は外に行きたいって言ってみた。
二人はパーティの誰かが絶対に付いてる時しか出かけちゃダメだって。
俺の見た目が誘拐される良い獲物に見えるから、ヒョウガがいても一人はダメなんだって。無茶苦茶しょんぼりしたら今日はリックが休みだから付き合ってくれるらしい。
昨日買ってもらった服に着替えて普通レベルに見える服装になったはず。流石にマジックバッグは持ち歩きたい。アイテムボックスもあるけど、お買い物する時って手ぶらはヤダ。
用意ができたらリックが抱き上げてくれた。ヒョウガは猫キックで抵抗してて自力で歩く意思表示。
昨日は必要なものを買うために雑貨屋や服屋をざっと見ただけだから、街並みをしっかり見たい。食材や食べ物屋さんも。
ガルムは今日は防具のお手入れらしい。お手入れ大事!
リックが街を歩くと出会った人がみんな挨拶してくれる。人気者だな。
一応野菜屋も果物屋もちょこちょこある。
屋台には肉串が多いけど果物に串刺してるやつや果汁ジュース、エール屋みたいな。
あんまり食文化が発達してなさげ?
お菓子屋さんっぽいのもないのかなぁ?
パン屋さんいい匂いしてる。
街並みは可愛い感じのお店やお家が並んでて写真で見たイタリアとかドイツとかなんか海外のちょっと田舎くらいの長閑な感じ。
昨日行ったギルド近くに来た時ちょっとケバい系のお姉さんたちが、
「きゃぁ~可愛いー」
って俺のことを言ってくれつつリックを取り囲んだ。
これ知ってる!子供をダシにしてイケメンパパとかに群がる技!!
子持ちかよって思いつつ、お近づきになろうとするやつ!!多分リックは有名人だから子持ちじゃ無いのは知ってるだろうから本当に俺はダシなのだ!!!
「ぁあああー!ちゅバサくぅぅーーーん!!!」
イケメンにぐぬぬと嫉妬しちゃう寸前に無茶苦茶興奮した声が響く。
リックの腕からぐわしっと奪い去られて。
「会いたかったよー!!!」
なんと一日ぶりのエイミーだった。ぐりぐりすりすりくんかくんか。
リック、俺全然守られてなくない?
呆然とする俺とエイミーの足元でパシパシと猫パンチをしているヒョウガ。
遠くからゼェゼェ走ってくるクララとララァ。
エイミーのショタが有名なのは昨日思い知っていたけどここまでとは。
周りにいたお姉さんズも引いてるぞ。
「リックーたしゅけてくだしゃい」
やっと声を絞り出した俺に再起動したリックがエイミーの頭にゴスっと手刀をお見舞いして奪い返してくれた。
「いったぁ!リック、ずるい~私も抱っこし放題がいいよぅ」
お姉さんズのダシにされるのとショタの本気のスキンシップ、どっちが幸せなのか?
湖で洗われた時ここまで変態味無かったのにどういうこった?
とりあえずヒョウガ、助けようとしてくれて可愛かったから後でジャーキーあげよ。
リックはお肉にこっそりデスデースソースかけたろ!
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