第41話 プレーオフへ
迎えた最終節、前節を負けで終わったことで地のダンジョンが未だに1敗のため、まだ2位でプレーオフを迎える可能性もあった。相手はプレーオフ進出の望みが微妙に勝ちが絶対な聖のダンジョンだったのだが。
「さすがに情報を持ってない敵に負けるわけが無いよね。」
相変わらずメア&シトリーのコンボは破られること無くリーグ戦は終了した。結局、俺たちは一度も守備を突破されること無く自力でリーグ戦をトップで通過を決めた。
最終節成績
聖●vs創○
空●vs海○
獣●vs地○
炎●vs邪○
鋼●vs氷○
最終順位
1位 創 8勝1敗
2位 地 8勝1敗
3位 海 6勝3敗
4位 邪 5勝4敗
5位 炎 5勝4敗
6位 獣 4勝5敗
7位 聖 4勝5敗
8位 氷 3勝6敗
9位 鋼 1勝8敗
10位 空 0勝9敗
地、海のダンジョンが順当に勝って2位、3位。邪のダンジョンが魂の直接対決で炎のダンジョンに勝ち、勝ち星で並び直接対決の結果で上に立ち見事プレーオフの権利を勝ち取った。最初からシーズンを捨てていた空のダンジョンが全敗の最下位で途中で諦めた鋼が9位となった。
「まずはシーズンお疲れさま。」
成績を見ながらルイスにねぎらいの言葉をかける。
「ありがと。でも、活躍したのはほとんどメアとシトリーだしあたしはほとんど何もしてないのよね。」
ルイスはそう言うけど俺たちはAランクの魔物を召喚したことが無い。それでも最大の戦力を誇れているのはルイスのおかげ以外の何物でも無い。
「俺のダンジョンの最初のSランクがルイスじゃなかったらここまで楽なダンジョン経営はできてないよ。だから、今シーズンの成果は全部ルイスのおかげだ。」
「それはシーズンが終わってからよ。まずは初戦の対策からね。」
プレーオフは全てのダンジョンが観戦可能になる。つまり、ここで使った戦略は他のダンジョンにも全てバレるということだ。その上でルイスはどのような戦術を選択するのか。
「初戦で戦う邪のダンジョンもその後の決勝で戦う海や地のダンジョンもメアとシトリーのコンボを突破できていないわ。だから、まずはそのコンボから試していこうと考えているわ。」
破られていないコンボは徹底的に通し続ける。このコンボがタネが割れてもなかなか対策できないと自信があるからできる作戦だ。
「それはメアとシトリーの存在を全てのダンジョンに公開するってことになるけどそれでもそっちの方が有効だってことか?」
これまでメアとシトリーのコンボで有利に進んでいるものの彼女たちは敵にまだ見られていない。彼女たちが姿を現せばSランクであることもバレるだろう。
「そのことなんだけどね。あたしたちはかなりの戦力差を他のダンジョンにつけているわ。このまま主戦力が戦い続けていればBランクCランク辺りが戦闘経験を得られないくらいにはあたしたちの戦力は厚い。だから、来シーズン以降は出す戦力を制限しようと思うのよ。」
今シーズンは全力を出す。その代わり来シーズン以降はダンジョンを防衛する低ランクの魔もたちに経験を積ませるようにしたいとルイスは語った。全てはダンジョンのためだと。
「ここで存在を知らしめることで見えない敵におびえさせるってことか。」
存在を知れば警戒せざるを得ない。少なくとも不用意には戦力を突っ込ませることはできなくなるだろう。主戦力を出さなくてもその影をちらつかせることで援護にはなる。
「わかった。ルイスの思うようにやってくれ。」
俺たちのダンジョンが来シーズン以降、今回ほど簡単に勝てることは無いかもしれない。それでもルイスはそれでも勝てるように編成してくれる気がした。
迎えたプレーオフ初戦、邪のダンジョンがとった戦術は斥候部隊をAランクの魔物で潰しに来るものだった。
「まさか空のダンジョンからもAランクを借りてきてるとはね。」
斥候部隊にAランクの魔物がいないことに目をつけてAランクの魔物3体で侵入してきた敵を徹底的にたたきつぶす。俺たちがBランクの魔物で低ランクの魔物を倒して敵の戦力を削っていたのと同じ戦術だ。俺たちはこれで相手に無理攻めを強要していたわけだがこれでその戦術は封じられた。
「とはいえ、このプレーオフは引き分けならリーグ戦の成績上位の俺たちの勝ち。どちらにしろこちらから攻める必要は無いけどな。」
ルイスはすぐに戦力を撤退させ、大きな被害なく敵を待つ大勢に移行する。こうなると敵は完全に引いて待ち構えているところに攻めざるを得ない。そうなると難しいのは邪のダンジョン側だ。
「結局、向こうの斥候はすぐに潰されるし、時間が無くなれば突っ込むしかない。だいぶ有利になったな。」
そこからはやはり攻めるしか無くなった邪のダンジョンをメア&シトリーのコンボで跳ね返すいつもの戦術で倒すことになった。邪のダンジョンの戦術はリーグ戦では有効だったかもしれないがプレーオフでは難しい戦術だった。
「プレーオフではプレーオフの戦い方が求められるか。」
こうして俺たちはプレーオフ決勝に駒を進めた。
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