第17話 リーグ戦終了とプレーオフ1回戦
最終節成績
炎●vs創○
邪●vs海○
鋼●vs地○
聖●vs獣○
空●vs氷○
最終順位
1位 海 7勝2敗
2位 炎 6勝3敗
3位 地 6勝3敗
4位 獣 5勝4敗
5位 聖 5勝4敗
6位 氷 4勝5敗
7位 邪 4勝5敗
8位 空 3勝6敗
9位 鋼 3勝6敗
10位 創 2勝7敗
炎との最終節が終わった翌日、他のカードの結果と最終順位も公表された。海、炎のトップ2は順当だとして、前半厳しめだった地のダンジョンが後半怒濤の4連勝で最終順位を3位まで押し上げた。そして、プレーオフの最後のカードを手に入れたのは聖との魂の最終戦に勝利した獣だ。結果的に俺はプレーオフに進出した全てのダンジョンからBランクのカードを入手することに成功したことになる。下の方を見ていくと前半に俺と最下位を争っていた氷は後半追い上げて最終的な順位を6位まで上げた。空は前半戦から大失速で後半は予想通り1勝もあげられないままシーズン終了となった。
「上位チームがBランクのカードをトレードに出してる影響で来シーズンもそこまで差がつくわけでも無いかもしれないな。」
これならば俺が最初に予想していたよりもプレーオフに進出できなかったチームにも十分に来シーズンに可能性が残っているかもしれない。
プレーオフの1回戦、海のダンジョンは本陣を水中フィールドにし、その奥の対岸からドライアドとキャノンダイルが攻撃する作戦で相手が水中フィールドを超えるすべを持たず。おなじみのレヴィとディーヴァのコンボで敵の本陣を破壊して勝利した。
そして、地と炎の対決はお互いに守りに入り、半分が経過する。
「地のダンジョンに水属性の魔物がいる影響で炎が攻め手を模索して均衡状態だな。とはいえ、このまま攻め手無しだと地は負けだから無理にでも攻めないとダメか。」
このプレーオフは制限時間で勝負がつかなかった場合、順位が上だったチームの勝利になる。地のダンジョンも植物系の魔物は敵陣に乗り込めないので地が勝つには厳しい戦いになるだろう、と思っていたのだが。
「下級のゴブリンを要求したのはこのためだったか。」
地のダンジョンの最下級の魔物は全てグロウウィードからゴブリンに置き換わっており、ゴブリンの部隊が形成されていた。結果的に炎のダンジョンへの侵攻できる魔物の数が増えておりその部分での相性不利を完全に消している。そして、ゴブリンセイバーの数も3体になっており、俺がトレードした数よりも1体多い。この対戦があることを考えて育てたのだろう。ようやく地のダンジョンがゴブリンたちで侵攻を始める。
「下級のゴブリンで索敵して見つけた敵はゴブリンアーチャーとスケルトンアーチャーの2体で仕留める。罠があっても失うのは下級ゴブリンだけか。」
まさにゴブリンが戦況を左右したと言っても過言では無い。炎のダンジョンが交換したゴブリンはゴブリンセイバー1体のみ。炎が元から保有するCランク4体とゴブリンセイバーなのに対して地はゴブリンセイバー3体にスケルトンウォリアー、ゴブリンアーチャー、スケルトンアーチャーとC6体とCランクの数で有利を取っている。さらに水属性魔法が使えるBランクのエルフまでいては地形有利もむなしくどんどん押し込まれていく。炎の陣営はBランクの少なさから不用意に戦力を投入できずあっさりと本陣手前まで押し込まれてしまった。
「とはいえ、ここからどうするかだな。」
俺はストームキャノンダイルという遠距離砲台がいたので本陣に突撃せずに敵をおびき出すことに成功したがエルフの水属性魔法もそこまでの射程は無さそうだ。そして、敵が待ち受ける本陣に突撃しようとすれば近づく間に集中砲火を受けてしまう。そこに地のSランクにサポートしてもらいながら今にも倒れてしまいそうな氷のキツネがやってくる。
「あんなの連れてきても戦力にならなそうだけどどうするんだ?」
戦力になるどころか負担をかけているようなキツネの登場に驚いていると氷のキツネは力を振り絞るように猛吹雪のような現象を引き起こす。決死の大魔法だったが溶岩に覆われる個のフィールドでは十分な威力は発揮できず敵陣になんとか届いたくらいの効果しか発揮されていない。これではダメージも期待できない。
「なるほど、そのための吹雪か。」
しかし、敵の視界を塞ぐほどの猛吹雪は距離を詰める味方を敵の視界から隠す。敵に気付かれずに接近した亀はそのままスピンしながら物凄い勢いで敵陣に水をまき散らしながら突撃する。それを皮切りに他の魔物たちも敵本陣にほぼ無傷でたどり着き乱戦になっていく。
「さすがにあのキツネは力尽きたか。」
十分仕事をしたキツネはそのまま倒れたが陣地内に侵入された炎陣営はさらに迫ってくる魔物たちに対応してる余裕が無い。結果的に氷のキツネ1体の活躍によって敵陣を崩すことに成功した形だ。
「亀をフォーカスされないように援護する地の陣営となんとかして亀を倒したい炎陣営か。」
おそらく水のダンジョンとトレードされたカードで召喚された亀は炎陣営にとって最大の脅威となっている。それをエルフやエルフに変身したコピースライムが援護することで地の魔物たちが敵本陣も押し込み始める。お互いにSランクの魔物をここに投入した以上、Sランク同士がぶつかる展開になり、炎陣営はSランク抜きでこの水の魔物を処理しないといけない。
「こうなると多勢に無勢。ゴブリンを止める魔物がいないか。」
地のダンジョンが総力戦を仕掛けているのもあり、炎のAランクの2体は亀とエルフとコピースライムのBランク3体で押さえ込まれ他のBランクも地のBランクを止めるために手が空いてない。Cランクの魔物でも数で不利に陥ってる炎の本陣は最下級のゴブリンがダンジョンコアの間に猛チャージするのを止めれる魔物がいなかった。
「ゴブリン強すぎない?」
ゴブリンにダンジョンコアを破壊されゲームエンド。見事にゴブリン1体の差で敵の本陣を突破した地のダンジョンが順位が上の炎を倒して決勝進出となった。
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