第7話 2体目の王
「ルイスのおかげで王のカードと交換できるだけのDPが溜まってスライムは2段階進化でコピースライムに進化したな。とりあえず階層を1つ追加してキャノンダイルとコピースライムはそっちに配置しよう。」
俺は成果を確認しながらダンジョンを拡張する。ダンジョンは新しい階層を追加してもその階層にCランク以上の魔物がいなければ機能しない。そして、Sランクの魔物がいればダンジョンの各階層で魔物が生まれる。つまり、実質スケルトンの湧き効率が倍になったわけだ。
「階層追加に3000DP、大部屋追加で1000DPでこれで初期支給分は全部使ったことになるな。」
このダンジョンを作るためにもらった20000DPはここまでで全て使い切ったので後は自分で稼いだDPでダンジョンをやりくりするしか無い。ここまでは確定の使い道だったが
ここから先は考えて使わないといけない。
「まあ、これ以上のことは考えても次のSランクの魔物次第で変わるか。」
とはいえ、選択は新たな魔物によって変わりそうだったので一度保留して新たな召喚の準備に入る。
「初めての王のカードの生成か。さすがに手が震えるな。」
必要ポイント100000ポイントという膨大な数字に間違いは無いとわかっていても緊張してしまう。
「早くしなさいよ。あたしの妹分に早くあわせなさい。」
弟分かもしれないけど。と、俺が召喚するのを待ちわびているルイスが急かす。創のAのカードも生成して準備を整える。
「それじゃいくぞ。」
今度はまた執務室に来るように設定して召喚する。
「初めましてマスター。ボクはヴァルカン、鍛冶を極めし者。一応、マスターオブドワーフって称号は持ってるよ。ボクのことは気軽にヴァルって読んでくれ。」
新たに召喚された魔物はそう名乗った。
「あたしたちのダンジョンにようこそ。あたしがこのダンジョン最初のSランクのルイスよ。これからよろしくね。」
俺より先にルイスが最初の部分を強調して名乗る。
「ああ、よろしく。このダンジョン、できて間もないみたいだけどもうSランクが2体目なんだね。こりゃ、頼もしいや。」
ルイスがヴァルと握手する。それが一段落するのを見守って俺も名乗る。
「俺がこのダンジョンのダンジョンマスターだ。ヴァル、まずは君の能力の確認をしたい。Sランクであるからには君は何かダンジョンに恩恵をもたらす能力を持っているはずだ。それは何かな?」
王のカードを使っての召喚である以上、王としての能力を持っているはずだ。まずはそれを確認する。
「大地の王の能力を持っているよ。ボクがいるだけでダンジョン内の鉱石の成長速度がアップして効果も上がる。ダンジョン内に魔水晶とかの鉱石系をどんどん設置していくといいよ。ボクも鍛冶に使いたいしね。」
どうやら魔水晶の効果が上がって魔物が成長しやすくなったりするようだ。獲得できるDPもあがるようなのでなるべく恩恵を受けれるようにしたいな。
「ああ、それと。ボクは戦闘はあまり好きじゃ無いからなるべく戦わない方向で頼むよ。その代わり、みんなの力になれるように武器や防具の作成は頑張るけどね。」
いきなりダンジョンリーグに参加したくない宣言をされてしまった。どうやら、Sランクになるような魔物は扱いが難しいようだ。あまりの自由さに横でルイスがキレているのでそれをなだめることもしなければいけないか。
「Sランクの魔物が戦闘不参加宣言するならそれなりの物は作ってもらわないとね。それで要求はそれだけかい?」
「ボクは鍛冶にしか興味が無いからね。鍛冶の工房用に一部屋欲しいかな。小部屋でいいけど魔物が湧かないようにはして欲しい。」
ヴァルのリクエスト通り、最下層のボス部屋の隣に小部屋を設置して安全地帯の処理を施す。安全地帯は作成するのに1000DPもするが本来は人間がその部屋に到達するだけで10DP稼げるDPの稼ぎに使われるシステムだ。
「投資に見合うだけの活躍を期待してるよ。」
その後、ヴァルはこのダンジョンについて現状と方針の説明を受けたあと、ルイスにより眷属化されヴァンパイアの再生能力を持ったことでルイスのサンドバッグとして一度殺され、DPになった。
「これで魔水晶がもう1つ作れるわね。」
そこにはすっきりした顔のルイスがいたのでまあいいか。ルイスの言葉通り新たにできた層にも魔水晶を設置し、さらにもう1階層作ってうちのダンジョンは早くも3階層になった。そして、全ての階層に魔水晶を置き、魔水晶をダンジョンに置ける上限の3つを全て置ききったことになる。
余談だがヴァルの要望で工房のさらに奥に中部屋を作ってそこに魔硝石を設置した。ダンジョンには下から魔石、魔鉱石、魔硝石、魔結晶、魔水晶とあり、魔力を受けて成長する性質がある。そして、魔硝石以上の鉱石には近くに魔石を生み出す効果があるらしくヴァルが好きに掘っていい採掘場が欲しいと要望したのだ。魔水晶、魔結晶は階層に1つまでしかできないので時点で魔硝石になった。
魔硝石は部屋1、階層2の制限はあるものの無くなればいくらでも生成できるらしく設置しては破壊して鍛冶の道具にしようとしたヴァルに壊しても生成しないからうまく運用しろと圧をかけておいた。DPも有限なので鍛冶ばかりに使われると困るのだ。
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