空想貯金
皆さんは、執筆の前に「空想貯金」をしていますか。
「空想貯金」とは、たった今浮かんだ、勝手に考えた言葉ですが、「小説を書くために、いろんなシーンや展開を頭の中で思い浮かべた結果生まれた、小説を書くにあたって必要な材料を貯めておくこと」です。
そういった「空想したこと」を貯めるわけだから、お金を貯める「貯金」のように考えると「貯空想」の方が正しい表現かもしれませんね(パッとしない響きなので採用しませんでしたが)。
うーん……まだ意味があまり伝わってないかもしれませんね。まず私が小説を書く時の方法からお話した方が早いかもしれません。
試しに、新規の作品ではなく公開中の作品の続きを書くパターンで、執筆の流れを見ていきたいと思います。
私は普段ノートPCで、Word等も使わずいきなりカクヨムの真っ白な編集画面で執筆するのですが、白い画面と睨めっこしていて話がすらすらと書けるタイプではないので、まずその前に……PCの前に座る前に、どこか別の場所で「空想」することから始めます。
小説書きの方は、当たり前のようにPCの前で「空想」ができる人も多いのでしょうか。私はどうもリラックスしている時でないと色々浮かばず、「空想」ができないようで、お風呂の時間や寝る前のベッドで寝転んでいる時間、夜誰もいない部屋、外出中に暇を持て余した空き時間……などで物思いに耽るように考えることが多いです。
空想の前に、書きたいシーンの直前の文章(自分の作品の)なんかを読んでから空想タイムに入ると、その先の展開やシーンが頭の中に浮かびやすくなるので、自分の作品を一話分くらい読んでから「空想」することも多いですかね。
で、そうやって浮かんだ「空想」した内容は、忘れないうちにメモに書き留めます。それもカクヨム上で、まだ公開していない次話の下書きのところに書いていきます(誤って公開してしまわないか若干ヒヤヒヤしますが)。
ここではスマホを使う時も多いです。忘れないうちに書かねばならず、時間との戦いなので。
そしてここで書くのはざっくりとした内容です。空想の結果思いついたこの先の展開を書いたり、浮かんだ台詞だったり、映像だったり……そのあたりをスピード重視でメモります。
そのまま、熱意があれば文章にして書きあげてしまえる時もありますが……文章にするのはだいたいは後回しにします。その時浮かんだ空想の内容だけでは、一話分には満たないことが多いので(あと、文章にするにはまとまった時間や根気がいるので、単に面倒で後回しにすることも多いですが……(汗))。
で、集めた空想メモ……すなわち「空想貯金」が貯まってきたら、時間ややる気があるときに、その内容をようやく文章化(=執筆)します。この時にようやくPCを前にして「書くぞー」と執筆モードに入る感じです。
一話分に足りるような量が書けなかったら、その場でちょっと空想してみるか、PCを一旦閉じてまた別の時間と場所で空想が貯まるのを待ちます。
思えばこの『創作の記録帳』ですら、PCの前で「何書こうかな~」と考えたわけではなく、なんとなく一人で物思いに耽っていた時に思いついたことをメモってから書いていたりします。
私は小説を書くことに関しては直感型?で、頭の中で思いついたことをただ書いていくタイプなので、想像力だけが頼りの私は「空想」がなければ小説を書けません。といっても皆そんな感じなのかもしれない……と思ったりもします。
一方で、想像力だけでなく、今の人気小説の傾向から考えてウケそうなキャラクターや展開を狙ったり、起承転結とか何らかの面白く小説を書ける理論なんかを元に、理論的に、計画的に話を考えられる人もいるのかも……とも思ったりしますが。
他の方がどのように小説を書いているかは私にはわからないので、是非とも他の方のお話を聞いてみたいところだったりします。
そして「空想」ありきな執筆方法なので、別の事で忙しい時期は、ボーっとできる時間ですら頭の中が何か他のことで一杯になり……「空想」する暇や余裕がなくなり「空想貯金」ができない→小説書けない、に繋がってしまいます。
実際、つい最近までの引っ越しを繰り返していた時期は頭の中がそのことばかりで、「この家でずっと住んでいけるだろうのか」「失敗するのが怖いし、引っ越しはやめるべきなのか」「あの物件はここはいいけどあそこが駄目だし、あっちの物件は~」のようなことばかり考えてしまい、小説を全く書けませんでした。
そんな感じの執筆方法なので、PCの前に座っていきなりババババ!と、どんどん書いていける方よりは執筆スピードが遅めなのかもしれません。
ただ、最近サボりがちなのも事実なので、PCの前に座って「書くぞー」みたいな時間はもっと作らねばとは思いますが……(汗)
しかし……PCの前に座って下書き画面を開いたところで書けない、と前の方で言ったように、小説の執筆の難しいところは、「手を動かしさえすれば、終わるものではない」というところです。
普段やっている単調な仕事なんかは、やる気がない時でもなんとなく手を動かしていれば、こなした仕事量が自動的に増えていってノルマなど達成できたりするのですが。小説の執筆は、ただ手を動かしていれば終わるような作業ではないんですよね。だから難しい……。
例外として、短いスパンで締め切りのあるKACで書いた作品なんかは、締め切りまでに書いて投稿することを第一優先しているので、無理にでも手を動かして、面白いかつまらないかどうかなんて考えずに無理やり終わらせている部分もありますが。
ただし、そのように書いたものはやはり愛着は少なかったりします。「案外上手く書けた」と思える作品以外は、もう一度読み返す気にならなかったり、他の小説サイトにまでは載せる気にならなかったり……。
連載中の長編などは締め切りもないので、時間制限なく考えたり書いたり一旦寝かせたり、一話分、自分の納得のいく内容になって初めて公開することができます。なので書いていて、「面白い……はず!」と多少は自信も持てるし、思い入れも強いです。
(本当は、一話分だけでなく完結するまで書き終えてから推敲もして、初めて公開できればいいのですが。公開もしないまま長編作品を完結するまで書き終える、そんな忍耐力が自分にはないので、今の一話分さえ書けたら公開するスタイルになってしまっています)。
そんなこんなで小説を執筆するという作業は難しいところもありますが、手を動かすだけで終えられるものではない「創作」といったような作業は、誰がやっても同じものができるものではないし、特別、やりがいがある作業のように感じます。
なので、小説の執筆はたとえ忙しくて出来ない時があっても、また時が経てば重い腰を上げて書き始めたりして――――ゆっくりでも、なんとなくでもいいから、生涯続けていきたいなと思います。
……とまあ「空想貯金」について上手く説明できなかったせいで、長々と語ってしまったうえにいろいろ脱線しましたが。
ブランクがあってなかなか執筆が思うように進まない中で、「空想した内容を貯めてから執筆する方法って、皆してることなのかな?」と気になったので、この場で書かせていただきました。
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