第6話A型福祉作業所
僕は毎日、職安に通ったが仕事が見付からなかった。
見かねた、職安職員が僕に声を掛けてきた。
障がい者が働きながら一般就労を目指す作業所があると。僕はすぐに飛び付いた。
給料は7万円程度だが、働かないよりはマシ。
職員がA型福祉作業所に電話を掛けて、面接の段取りをした。
就労支援A型施設『ひまわり』へ、僕はネクタイを絞めて、面接に向かった。
面接時間15分。採用された。
その晩は、嫁さんと寿司を食べた。
結婚して1年目。嫁さんに苦労を掛けた。
それから、障害年金の手続きもして、無事に支給が決定したので、フルタイムで働く人と同じくらいの水準の生活がしばらくは続いたが、統合失調症は体調の具合が振り子状で安定せず、2年働いて辞めた。
それから、色んなA型へ通うが長続きしなかった。そのうちに、子供が生まれ精神安定剤をドーピング代わりに飲んで仕事した。
あっ言う間の14年間。
まだ、僕はA型施設で働いている。
今年は一般企業に転職出来そうだ。
これが、精神病を発症させた僕の経歴である。
終
精神障がい者泡沫記 羽弦トリス @September-0919
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