第3話始まりの村(2)
「気をとりなおす」
「気をとりなおす」
「気をとりなおす」
私、小さな声で空に向かって3回読んだ、今は魔力が空っぽで呪文は使えないけれどそんなの気合いよ!。
でもちょとん、なんかかヤバいよ。草の影がさっきより長くなってるし、なんか日も落ちてる気がする。
でもでもなんとかみんなの意識は戻ったし、わたしは一応ヒーラーだからできるだけ診察しないとねっと。
さっそくメンバーで一番の巨乳でいいものもってる、浄化の(聖女)イクさんの胸の音を聞こうとして顔を近づけた「うういつもいい匂いだなあ、ちょっと汗っぽいのもいいなあ、ほっぺなめたらちょっと酸味も有るかなあ?」でもってつんつんしちゃおうかな。
うっとりと邪な考えに浸り始めていると突然イクさんは私の耳元で叫びやがった「ここどこよ!なんなのよ私のドンペリどこ行ったのよ!」って、いつもの丁寧な言葉とおしとやかな振る舞いはどこ行ったのよ、でもってその目は異様な光があふれ、びっくりで私ひっくり返っちゃったよ、おまけにああ「耳が耳がああ」眼もチカチカするし耳痛いしクラクラするよおお。
皆の方を見るとその突然の金切り声に驚いて全員固まってるし、アラタも固まっているけど別の原因だったみたい。
「き・君は?君ってそんなキャラだったの?ちょっくら今後の付き合い考えないと」とかすれた声を絞り出してるし。
「・・え?私、わたくし、今何か言いました?何も言っていませんよ、ええい言ってないだろうが、いえ、言いませんことよ。」っつなんか変だよ、これは何かがおかしいし呪われた?呪われたの?まじ?違うのかな、ねえねえ浄化担当が呪われたら駄目なんですけど。
だけど勇者アラタは動揺を隠して、ヒーローは進めばふたつすることにしたみたい。
「いやまあそれはそれとして、落ち着いて聞いてくれ、もうみんな気がついているかもしらんが、今自分の装備が使用不能になっているはずだ、そういう俺もスキル制限で聖剣を使うことが出来ない、俺が今使えるのは棍棒だけなんだ」一息入れる、「そんなわけで見ての通りにここには強度のある棒も無い、で魔法使いの杖を棍棒として使わせてもらいたいんだ、これは提案で一時的な処置なんだが、強制では無いので支障有れば言ってくれてもいい、それについてはできるだけ善処、検討したいと思う」
反論する間もなくまくし立てる、そんな一方的な話を聞かされても先ほどのイクさんの醜態を見た後なんで皆目を合わせてうなずくしかないわけで反対意見はまあでないよね。
もっとも魔法使い系である杖の持ち主は口をへの字にしてるので気分悪いかも、でも「善処、検討」ってなにさ?。
皆の不満そうな目線を気にすることも無く、アラタは装備を手早く確認しながら組み替え始めた。
手早くとは言ってもさすがに時間が掛かかるもん、ノンビリやさんの私にも夕闇が迫ってくる気配が判るし、ちょっと不味いわよね、夜は魔物が凶暴化するっし危険度1.4倍増しかしらん。
でも結局装備を纏め移動開始するも平原の端にたどり着くのがやっとで野営となってしまった。
森の中も危険だもの平原と森との境でキャンプを張る準備をする、といっても資材もほとんど無いし魔王城の外の兵と合流できず、そもそも今どこかが判らないし、なんか見覚えがある地形だけれども魔王城らしきものは目をこらしても見えないし。
「申し訳ない、俺の段取りが悪くて野営になってしまった」アラタは申し訳なさそうに頭を掻いた。
「火だけ熾して交代で起きてりゃいいでしょう、昔はよくやってましたよね」重剣士のゲンブ・トウザが自分の胸筋の状態を確認する「コンだけ筋肉量があればスキルなしでもまあなんとかなりますよ、筋肉は裏切らないす」
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