第三話 国家魔導士試験開幕
王城・試験受付前
「はい、次」
「ジェイ・レプリカントです。レプリカント領の領主より推薦状を頂き参上致した次第です。ご確認宜しくお願い致します」
「あい、分かった。申し訳ないが身分証明書と魔力チェックをお願いしたい」
「こちらが身分証明書です。魔力検査機はこちらでいいですか?」
「ああ、それで問題ない」
基本的な色は炎なら赤、風なら緑、水なら青、大地なら茶色とイメージ的な色になる。ただ、たまに特異体質がありその場合は基本色にはならない。
「羊皮紙側は…桃色と青白い色です!!」
「桃色はレプリカント家の当主殿の特異体質の慈愛の色だ…だが、青白いというのは…」
「えーと、すみません、多分俺も特異体質です…」
「うーむ、確かに君の色で間違いないな…」
「多分これです」
そう言って右手の人差し指だけピンと立たせライター程の青白い炎を出した。
「なるほど、蒼い炎か…これは珍しい。ただ、推薦貰って特異体質だからと言って気を抜くなよ。毎年そういう奴は落ちるからな…」
受付の偉い人が忠告を一言添えて番号札を渡した。
「君は3番だね。トーナメント表のシード権はどのグループかはくじ引きになるから本番になったら引いてくれ」
「分かりました。ご忠告痛み入ります。では失礼します」
そう言ってジェイは受付を後にした。
「最近の領主息子にしては礼儀をよく弁えてる。1番の奴なんか…ありゃ落ちるな」
受付では『あー、あれなぁ』という顔をしていた。
―――――――――――――
王城・控室
推薦組は控室は個室を与えられるので本番まで誰がいるかは全く分からない。
部屋にいるの受験者と給仕してくれるメイドさんらしき人しかいない。
因みに王家に使えるメイドさんに手を出すと受験生の場合は試験中止と数年間の試験を受けれないペナルティを受ける。
「レプリカント様、お茶が入りましたので温かい内にどうぞ」
「すまない、ありがとう」
実はこれも人となりを見る為の試験の為、絶対にメイドさん相手でも気を抜いてはいけない。
表情も崩さず真顔で一礼して後ろに下がる。まさしくメイドさん。
メイドさんが要れたお茶を口に含みながらジェイはふとある事を思い出していた。
(そういえば、ソフィアという子はここの
部屋の時間は静かに流れる…。設置されている大きな時計は古い物だと思うが歴史を感じさせる。職人が丹精込めて作った逸品ではないだろうか?精巧な作りに目を見張るものがある。カチ…カチ…と静寂しきった部屋の中で静かに時を進めている。
部屋の中と言えば王城だけあって椅子も茶器もどれを取っても一級品であり、ただ豪華なだけではなく部屋に落ち着きを持たせ、王城の主の細かい心遣いを感じる。
それは来賓に
(あと、ずっと気になっていたが王国に使える
そんな事を考えつつお茶を飲みながら別の考えも浮かぶ。
(そういえばここにくる前日、あの夢をまた見てしまった…
コンコン――――ガチャ
扉をノックして入ってきたのは別のメイド…侍女だろうか。
「失礼致します。レプリカント様、あと10分程で開会式になりますので遅れませんよう宜しくお願い致します」
こちらも表情を変えずに一礼してから知らせを告げる侍女。ジェイは普段通りに受け答えをする。
「了解しました。お茶を頂いたらすぐに向かいます」
「では、扉の外で待機しておりますので準備出来たらお声掛け下さい」
侍女はそう告げて一礼してから扉の外に出て静かに扉を閉めたのだった。
ジェイは残りのお茶を一気に飲み干した。カップをテーブルに置き立ち上がりお茶を入れた侍女に一言御礼を告げた。
「お茶ご馳走様でした。ヴェア産の茶葉でおもてなし頂き光栄の極みで御座います。ただ、俺は
「いえ、御礼を言われる事では御座いません…
少々気になる言い方ではあったがそろそろ出ないといけないので改めて御礼言い開会式の会場に向かった。
―――――――――――
王城・
出場者が全て集まり、
「我が民達よ、よくぞこの試験に来てくれた!国王として先ずは礼を申す!次にこの試験は実力主義である。この中から上位百位に入れれば無条件で国家魔導士の地位を授ける!ルールは一対一の
今日、ここに集いし者は
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