第一話 旅支度
ここは【レイズの森】…【センディアル王国】の最西の森。森の入り口前にはレイズの村がある。レイズの村には【レプリカント領】を治めている【レプリカント家】がある。
レイズの森は
そんな男人禁制の森で唯一の男人を許されたのはジェイ・レプリカントである。
歴代の当主の兄弟でも絶対に許されなかったレイズの森でジェイだけが行き来をも許されている。
そもそも、この世界ではユニコーンは女性しか扱えないという言い伝えがありレイズの森では飼育が出来ないと言われているユニコーンがレプリカント家のみ飼育を許可されている。
場所は変わり、とある部屋の中。部屋の中には本棚が10棚もあり、全て難しそうな本ばかりが並んでいる。部屋の中で銀髪で長髪の背の高い男性がいそいそと鞄に荷物を詰めていくと、そんな中で唐突に扉からノック音がした。
コンコン――
「お兄様、セシリーです」
「ああ、セシリーか。入りなさい」
「失礼します」
扉が開くと同じく銀髪の女性が立っていた。
「お兄様、旅支度は大丈夫ですか?お手伝い致しましょうか?」
この女性は銀髪の男性の妹のようだ。
女性の後から白髪の髭を蓄えた如何にも執事という感じの人が続いて入ってきた。
「ジェイ坊ちゃま、お困りな事は御座いませんか?」
「ジイヤまで…旅支度の方は大丈夫だ」
銀髪の男性こそがこの物語の主人公【ジェイ・レプリカント】である。
「ジイヤもワタクシも…少々心配なんです…」
「そうで御座います。坊ちゃまが…」
細目の執事が更に目を細めて心配そうにしている所に遮るようにジェイは言った。
「セシリーもジイヤも大丈夫だよ。俺が簡単にやられる訳ないだろう?」
セシリーも執事のジイヤも頭に手を当てて言いました。
「いいえ、心配しているのは出場者の方を心配しているんです…」
「そうで御座います。私も坊ちゃまがやり過ぎないか心配で心配で夜しかぐっすり眠れません」
?という感じの顔をしてジェイは言い返します。
「それは夜ぐっすり寝れれば良いのではないのか?」
「ええ、まぁそうで御座いますね」
「…ジイヤは絶対に心配してないよね??」
「何を申しますか…試験会場で血まみれの相手に更に追い打ちを掛けてる所しか想像出来ません」
そう言いながらハンカチで涙を拭うしぐさをしてみるジイヤ。
それに続いてセシリーも畳み掛けて言ってきた。
「お兄様はご自身にも他人にも厳し過ぎます。でも、確かにお兄様なら手荒い追い打ちもしかねませんね、ウフフ」
右手で口元を隠し笑うセシリー。そんな二人を見てため息を吐き出すジェイは外を見ながらポツリと語った。
「そもそも、俺は当主にはなれないし現当主である母上には既に推薦状も頂いたから俺は俺の道を模索するしかないし、例え相手を血みどろのスプラッタになっても俺は
外を見ていた視線をセシリーに向けてみる。ジェイは更に話しを続ける。
「それに…父上は
それを面と向かって言われて悲しくなる2人。そこにジイヤがオッホンと咳払いしながら言った。
「坊ちゃま、お嬢様。
レイズの村の中央にはブロンズ像が立っている。
「坊ちゃま、私はかつて魔界の幹部として猛虎の英雄に挑み負けました…しかし、旦那様は私の命を取らず、
「ああ、わかった。それとなお前たちが話している間に旅支度は終わったからな」
――――――――
(坊ちゃま、私共は必ずや合格すると思っております…このセバスチャン、ご要望あらば地獄の果てでも参りますぞ…)
ある意味人生勝ち組のようなジェイはこの2日後に王都へ旅立ったのだ。
ジェイが15歳の事である。
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