第5話 誰も予想しなかった

「彼氏作る気はないって一旦振ったこんな私だけど、良かったら付き合ってくれませんか!!!」


(逆告白きたーーー!)


そして回ってきた拓実のターン。

答えはもちろん「YES」なのだが、まさか逆告白されるとは誰も想像してなくて自分から再告白する気でいたから…。



「智花ちゃん、ありがとう。こんな頼りない僕でよければ是非付き合ってください!」



「ほんとに⁉」

「うん!」



こうして、大学入学したころから想い続けていた拓実と、その想いに答えてくれた智花の激アツカップルが誕生したのだのだった。


しかし、拓実にはまだ言いたいことがあった。

皆さん忘れてはなかろうか。拓実が智花に告白する気満々で買った「オレンジのワンポイント刺繍が入ったハンカチ」のことを。


「智花ちゃん?」

「うん?付き合ったんだからちゃん付けじゃなくてもいいよ」


「え?じゃあお言葉に甘えて…」


「智花に渡したいものがあるんだ。今日、僕も告白しようと思ってたから、智花が4月からの就職後も使えるプレゼントを買ったんだ」

そうして拓実は、ハンカチを取り出した。


「智花、4月から学校に就職するでしょ。だからハンカチ使うかなって…」


「え!絶対使う!嬉しい!拓実くんありがとう!」

「付き合ってるんだからくん付けじゃなくていいよ」

「あ、そっか(笑)」



こうして2人は「映画を見る→まさかの逆告白→カップル成立」という甘酸っぱすぎるぐらいうらやましい1日を終えたのだった。


拓実と智花が卒業する2カ月前のことだった。

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