第4話 映画デート

そして映画の日を迎え、緊張した面持ちの拓実は電車に乗り智花との待ち合わせ場所へ向かった。


「拓実くん!おはよう!」

「おはよう!今日は楽しみだね!」

「うん!」


2人が映画館のあるショッピングモールに到着したのは午前11時前。見る予定にしている映画は11:20上映開始13:40上映終了なので、意外と時間がなかった。


「スクリーンからちょうどいい距離だし、ここにしようよ!」


2人は前から数えて7列目、スクリーンを見上げるほど近くもないところに座席をとった。

拓実が今回、智花と見るのに選んだのは恋愛映画だ。そして、映画館という真っ暗な空間の中で僕は勝負に出たのだった。

キュンとなるシーンで彼女の手をふいに握ったのだった。



上映が終わり、2人は「一緒に昼ご飯を食べよう」という流れに。


「智花ちゃん、さっき、映画の途中に僕が手をつないだのどうだった?」

「どうだったって…」


「嫌だった?嫌だったならごめん!」


「いや、嬉しかったよ」

そして智花は続けた。

「拓実くん、去年のクリスマスにさ、電話で想い伝えてくれたじゃん?あの時私、一度は大学で彼氏作る気はないって言ったけど、あれから私も拓実くんのこと好きなのかなって考えて…」


(おや?この流れは?まさかの?)


「4年生になって毎週のように電話するようになって、私もだんだん君のことが好きになってることに気づいたんだよね…だから……」

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