第14話
「……よし!今から瀬川くんに会いに行こう!」
「は!?」
突然の友人の行動に開いた口が塞がらない。ガタッと立ちあがったかと思えば私の腕を掴んで「いってらっしゃ~い」と手を振る一稀を尻目に教室から連れ出す。とりあえず止まってくれ!と抵抗しても
「たまには男の子にときめかないと!」
なんて……馬鹿げてる!!毎日胸キュン三昧だよ!
ぐいぐい引っ張られ、あっという間に遊のクラスへ。行動力がすごい亜矢に呆気にとられていると
「瀬川遊くんいますかー?」
「ちょっと!」
教室のドアから顔を覗かせて大声で遊を呼び出すから、思わず彼女の肩をシバいた。
「遊は今いないけど……」
近くにいた爽やか系男子がそう答えてくれてホッと胸をなで下ろす。その子にお礼を言って、亜矢の腕を引くとその場を離れようとした……けど、控えめに名前を呼ばれて立ち止まった。
「……はい?」
爽やか系男子がもじもじと照れくさそうにしている。
「よ、よかったら、連絡先を教えてもらえたり……」
「え?ああ──はい」
どうして私なんかの連絡先を?と首を傾げたけど、断る理由もないからスマホを取り出した。隣では亜矢がニヤニヤしながら私を肘で小突いてくるのを尻目に、彼に自分のIDが表示された画面を見せる。
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