第8話 メル友・・・その8

とりあえず、メールが止まったということで、ここでコーヒータイムをひとつ頂きましてっと。

コーヒーには煙草とお決まりのコースを歩いていると、メル友からメールが届いた。


「ねぇ~。さっきのメールって、どういう意味なの?」


「意味?んなもん、別にないわよ」


「うそ!絶対に、何か意味があるはずよ!」


「ってか、あんた、突然メールが止まったみたいだけど、どうしたの?」


「どうしたのって、ちょっと、意外な質問だったから」


「あたしさ、ちょっとよく分かんないことがあるんだけどさ」


「分かんないこと?」


「そうそう。前から、ちょっと気になってたんだけどね」


「気になってたって、もしかして、私のこと?」


「そうそう、あんたのこと」


「私のことって、どんなことなの?気になってたことって」


「なに?そんなに気になるの?」


「気になるから訊いてんでしょ?」


「そうね~。ま~、別に、大したことじゃないけどね」


「それじゃ、言ってみてよ」


「あのね、どうして、あんたがあたしの会話について来れるのかな?ってね。ちょっと思ってたのよ」


「どうしてって言われても。なんとなく話しやすいっていうか、ま~そんな感じだからじゃない?」


「ほんとに、それだけかしら?」


「それだけって。そうね、あと考えられるのはオカマだから」


「ん?どうして、そこにくるわけ?」


「だって、メル友の相手がオカマなら、他の人みたいに会おうよとか変な写メ送ってとかってないし」


「だからって、あたしは別に男には興味なんてないわよ」


「それでも、変な注文とかって絶対に言わないでしょ?」


「変な注文って、何それ?」


「ま~けっこういるのよ。そういう変な注文っていうか、お願いっていうか」


「な~に、裸の写メが見たいとかっていうやつ?」


「ま~ね、それに私のことなんかも訊きたがるし」


「あんたの何を訊きたがるの?」


「私の住んでいる地域とか、携帯の番号とかって、あの手この手で遠回しに訊いてくるのよ」


「へ~っ、そんなことを訊いて、どうすんのかしら?」


「特に、紳士的なメールとかを送ってくる人に限って、そういう人が多いのよ」


「あ~それね。背広にネクタイ姿なのに、下半身はズボンとパンツ脱いで、丸出し裸でメールしてる男のことね」


「あはは、何それ?」


「右手で青春しながら、左手でメール打ってるっていう、変わった生き物のことよ」


「あはは、それじゃ、あなたもそうなの?」


「きゃはは!んなわけないでしょ。さて、寝る時間になったみたいだから、そろそろ寝んねするわね」


「あっ、ちょっと待ってよ。さっきの質問だけど答えてよ」


「あい?何のこと?」


「何のことって、彼女のあだ名のことよ」


「あっ、そのことね・・・。ふ~ん、どうしても聞きたい?」


「なんか意味深だけど、やっぱり気になるし」


「ふ~ん、それじゃ、もし当たっても後悔しない?」


「なんかそれって、当てる気満々に聞こえてくるんですけど・・・」


「にゃはは!でも、あんたにとって当たった方がいい?それとも、当たらない方がいいのかしら?」


「ダメ!その前に気になってしまう気持ちの方が強いから、とにかく言ってみてよ」


「分かったわ。それじゃ、当てるわよ!彼女のあだ名は(じゅんきん)・・・違ったかしら?」


おおお===っと、またまたメールが止まったわ!

と、いうことで、あたしは寝んねするのだ!

とはいえ、今の彼女、きっと、携帯握りしめたまま固まってるわね?

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