第2話 メル友・・・その2

お部屋から縁側を通してお庭の方を見ると、お隣のおばあちゃんが、もう、椅子に座って花瓶の飾ってあるお花を手に取って見てるし・・・。

あたしの住んでるお家は、昔ながらの縁側なるものが付いている間取りなので、日差しが暖かいときなどは、サッシを閉めたままでいると、とても、ポカポカするんですよ。

んで、縁側のサッシのすぐ向こう側の左側に小さな花壇があって、花壇の手前、あたしのいるお部屋から見て縁側のサッシのすぐ向こう側には、こげ茶色の木のテーブルと椅子が2個ずつ向かい合わせに置いてあるの。

ちょっこ小高い丘の上に建ってる貸家なんだけど、丘の上の原っぱに住宅を建てたって感じなので、お庭が異常に広いんだわん。


「あら?おばあちゃん、こんにちは~」


「あんれ、まぁ~、中にいたのかい?」


おいおい、いなかったら、どうする気だったのよ?


「お茶、紅茶、コーヒーの中でどれがいい?」


「ひゃひゃひゃ、年寄りはやっぱしコーヒーだんべ」


いや、違うでしょ?普通はお茶じゃないんかい?

このおばあちゃんは、訊かないと訊かないで一人ブーブー言い始めるのよね。

どうせ年寄りなんか、黙って出されたもんでも飲んでろってか?って、始まるの。

今時のお年寄りの割には、けっこう、面白い、おばあちゃんなんですよ。

という事で、おばあちゃんのリクエストに合わせてコーヒーを持ってテーブルに行くと、


「あんた、ひとりもんやよね?」


「一応は、そうだけど・・・」


テーブルの上、おばちゃんの前にコーヒーを置くと、そのまま飲もうとしたので、


「ちょっと、おばあちゃん。お砂糖入れないと苦いわよ」


「ひゃひゃひゃ、何、言うだ。あたしゃ、昔からコーヒーはブラックしか飲んだ事がないんよ」


そう言いながら、お砂糖とミルクを入れ始める。こちらも、いつものお決まりパターンなのである。


「あんたさ~、一人で寂しくないんかい?」


「はい?」


「ホントは寂しいんじゃろ?」


「あい?」


「無理しないで、寂しいなら相手が欲しいって言わなきゃだめやんよ」


だめやんよ・・・って、それ、いったい、どこの方言よ。

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