第25話お詫びの品を送りました
次の日仕立て屋の方が、5人も!やってきた。その上宝石商もいる。
私の知っている仕立て屋はいつも1人で、採寸も直ぐに終わり生地も10枚も無く差程時間がかからなかった。
でも、今回は採寸に2人。
それを記入するのに2人。
私を模写するのに1人。
なに???なんで模写するの???
勿論逆らう事はしないけれど、ちんぷんかんぷんだった。
その上、同じところを何度も採寸され、
腕を曲げてください、と言われその腕を採寸、
腕を伸ばしてください、と言われ色んな向きの採寸。
さっきしたよね、何回するの?
その間に、
今の顔で、ストップ!
少し横向いて!
とか模写する人に言われ、これまた、
さっきしたよね。さっきのとどう違うの?
と、思いながら言われるように従っていた。
やっと採寸と模写が終わり、次は何十枚もある生地と宝石商の商人と話し合いながら、かつ私の好みを尊重しながら決めていく。
そこで、これまでの採寸と模写がとても大事だと理解した。
採寸することよって、私の身体にもっと似合う生地と、模写を使ってのイメージ。
凄い!!
綺麗!!
私にあってる!!
とまあ、大変ながらも、楽しく決めれた。
吟味に吟味を重ねドレス3着は決め、それに合わせて宝石も、小物も決めた。
その上普段着を10着も作ってくれるという。
何だが貴族の娘になった気分になり、その度に、わたし伯爵令嬢だったわ、と初めて誇らしく思った。
当然値札が着いていないので幾らなのかは知らないが、どれも高価な品物ばかりだった。
次の日はお菓子と雑貨の業者がやってきた。
それぞれの方に合うように品物、そして便箋を選んだ。
便箋は幾つか余分に選び手元に置いた。
実際これで挽回出来るとは限らない。逆に最悪の結末になる場合もある。
このやり方も、果たして正しいのかも分からない。だって、お姉様がいたから私自身で行った事がないから、聞いた話でしかない。
要は私の雑学だ。
まあ、雑学と言っていいかは分からないが、人づてに聞いた話や本で読んだのを忘れずまとめた結果が、この答えだった。
ただ、やらないよりはやった方がいいのも、確かだ。
私は出来るだけ、心がこもるような内容の手紙を書き、一緒にお菓子を送った。
あとは結果を待つだけだ。
上手くいけばいいな。
サージュ様の為に。
サージュ様のこれからの為に。
まるで魔法の言葉みたいに、私に力をくれる。
そうだよ。これだけ色々してくださったサージュ様の為に、今回ダメでも次があるわ。
「頑張るわ!」
「はい。いつも頑張っていますよ」
いつものようについ声が出てしまい、いつものようにターニャが返事をしてくれ、私達は笑った。
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