自己紹介

 ホームルームの最後に、先生が

『最初の授業は自己紹介をしてもらうぞー』と言っていた。


「マジかよ!全然考えてないぞ!?俺がさっき考えていたのは今晩のおかずについてだ!」

 大介がこの世の終わりが来たかのように焦っていた。てかお前にそんなことは聞いてない。

「やばい……。俺も言うことがねぇ……。」

 何を言えばいいんだ?ゲームが好きで、ゲームがちょっと上手くて?趣味はゲームで……って全部ゲームじゃねぇか!!そうか、俺にはなにもなかったのか……。

 自分で言ってて辛くなるぜ…。

「最初が肝心だからな、ミスったら終わる。色々と。」

「そうだな!ちなみに今、俺が言うことが決まったぞ」

 早いな!?てかお前にそんなことは聞いてない。

「一応聞いといてやろう」

 ちょっとは参考にさせてもらおうか。そう思っていた俺を殴りたい。



「一人目は〜、んー!なんとなくで下川?」

 先生は大介を指さした。

 ファ!?なんとなくで当てるんか?普通、出席番号とかだろ!?

 教室がざわめく。『おー下川か』『あの下ネタ大魔王?』『下川大介しもねただいすき?』『あたし♡そういうの、好きよ♡』

 女子のみんな言いすぎだろ……。流石に可愛そうだ。てか最後の男誰だ?

 そう考えているうちに大介の自己紹介が始まった。


「俺の名前は下川大介〜♪女を観察するのが大好きサ〜♪趣味はギャグ〜♪彼女欲しいぜ〜♪」

 あ、あいつ!!リズムに乗りながら、歌を歌うように自己紹介をしている!?

『キモ』などと罵倒する声や『あいつwwやりやがったww』など笑う声。

「今、俺を罵倒しただろ〜♪新しい扉開いちゃうぜベイベ〜♪」

 普通にキモすぎる……。メンタル強すぎだろ。俺だったら3日寝込む。

「あ、最後に一ついいですか?」

「はいどうぞ!」

 先生ノリノリだな……。止めろよ!?

「非常ボタンとかけまして……」

 なんだか嫌な予感がするっ!!

とときます……」

「そのこころは!」

 来る!!

「どちらも『おさない』が良いでしょう」

 ぐあああああああああああああああああ!!

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