幼なじみ

 ”ピンポーン”


 そろそろ学校に行こうと思っていたら、インターホンが鳴った。

「あ、あいつが来たか!!」

 俺は一瞬で察した……。

「はーい!今出まーす!」

 何も知らない木葉姉さんは玄関のドアを開けた。


「誰ですか?この?」

 若干眉間にシワを寄せてニコニコとしながら俺に聞いた。こ、怖え!明らかに作ってるよ!


 こいつは雲母きららつくし、俺の幼なじみだ。

 絶壁貧乳でチビだ。(本人に言ったら殺されかねない)肌は白く、髪は薄茶で少し短い。

 正直、幼なじみの贔屓目ひいきめなしで可愛いとは思う。

 だが性格が悲しいほどにEND終わっている!

 なぜだか知らないが俺が他の女性に話しかけると途中で止めに来て

 その後二人になったときにキレる!

 俺はこいつのことは正直、あまり好きではない。

 なぜなら、こいつのせいで……こいつのせいで……彼女ができないんだぁあ!!(血涙)


 「あの?十三くん?結局この女は誰なのかな???」

 つくしはギロッとした目つきで俺の方を睨みつける

 や、やべ……。足の震えが止まんねぇ…

 なんて言えばいいんだ?俺の女?家族?とにかく選択をミスったら命が危ない。

「義姉の木葉さんです。父が再婚して新しくできました」

 俺は思わず敬語を使ってしまった、相変わらず迫力が凄い。つくし……恐ろしい女だ……。

 つくしは木葉姉さんの足から頭までじっくりと見上げて言った。

「へぇ〜木葉さんって言うんですね〜これから先、よろしくお願いします」

 なんとか命は助かった……。

「そろそろ遅刻しても嫌だし学校に行きましょうか!

「はい〜……」

 つくしは強引に俺の腕を引っ張る。

「お、お姉さんもついていくからっ!」

 木葉姉さんは負けじと俺の腕を引っ張る。

 そこ張り合うところか……?

 

 ――学校へ向かう途中――

 木葉姉さんが何か思い出したようだ。

「あ、十三くん……!そういえば昨日、たくさん……その、したよね!?」

 何言ってんだ木葉姉さん!?

「十三くん、私が知らない間にその女とやましいことしてたんだ……」

 恐る恐るつくしの方を見ると目から光が消えて拳を震わせていた……。

 「げ、ゲームのことだよな!アータノシカッタナー(棒読み)」

 ゲームのことだと言ってくれ…。生殺与奪の権利は木葉姉さんが握ってるんだ。

 「夜のゲームのことだよね!白熱したなー!」

 言い方に癖がある!絶対勘違いする!いや勘違いした(過去形)

 もしかして木葉姉さん……ワザと言ってるんじゃ……?

「やっぱりやましいことしてたんだね……」

 つくしはバッグの中から包丁を取り出した。いやいやなんで持ってんだよ!?

「十三く…私のも…にならな……ら………いっそこの女を…して……」

 聞き取れないほどの小さな声でつくしは何かをブツブツと呟いていた。

 なんだが物騒だな……。

 美少女二人に囲まれた俺を何事かと周りのが見つめてくる。

 ああ…視線が痛いぃ(泣)

 事実を知らない人から見れば羨ましいと思うがさすがに辛い……。

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