四足目

通勤路に、足がいる。


膝から下だけの、正真正銘脚だけだ。

足袋を履き、草履を揃えた、脚だけの何か。

誰かを待っているのか、どこかに行く途中なのか。


都会の雑踏の中誰もそれを気にしない。


街路樹の下、切れかけの街灯に照らされ、


それは確かに、


そこに、



いる。

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足の話 @soundfish

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