第29話 事務仕事はできない
あのね、わたしゃ、事務仕事が苦手なの。
だからね、看護師になって良かったと思うのよ。
動き回りながら優先順位を決めて仕事をするとか人間相手ってのがいいのね。
40歳の時にケアマネの資格をとり、
やりました。
事務じゃんかーーっ。
まず、月一の訪問日を電話で決めるんだけど、
相手の希望を聞いちゃうから、一見目訪問先と
二件目訪問先が全然違う。
移動だけでも時間かかる。
しかも、訪問先のご本人や家族の人からの
話を切ることができない。
二時間はたいてい話を聞いてる始末。
みんなは午前中に15件とか回ってる。
訪問時間もこっちの都合を伝えてるし。
だいたい、玄関から上がらないって言う。
話が長くなるからって。
うーーん。
確かにそうすりぁ、ドタバタしないよね。
だけど、一人暮らしの人とかって話したいよね。
家族は介護の愚痴話したいよね。
結局は真似できなかった。
いつも、机の上は何人ものファイルと書類で溢れ返ってたなぁ。
ショートの予約とろうとしてたら、あれ?
ヘルパーさんや配食止めなきゃ。
配食って言えば、今のところが飽きたって
言ってた人いたわね。
誰だっけ?あーこの人。
この人のお口に合いそうなのは、、。
配食サービスのファイルを取り出す。
電話してお試しできるかを聞いたりしてと。
そしたら、電話が掛かってくる。
訪問看護から救急車で搬送したって。
んぎゃーーーっ!!
そのまま、走って、道路向かいの病院の急外に行く。
おひとり様だから、知ってる顔で安心して欲しいし、何かあったら聞いておかなきゃ。
まあ、大した事は無くて入院で様子見るって
事になりほっとする。
あー、入院の着替えやら届けないとー。
こうして、私の机のごちゃごちゃは
ほったらかしになっていく。
つまり、向いてないのよ。
事務仕事はね。
2度とケアマネはやりたくないなぁ。
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