第24話 13夜

お団子13個盛り付けて。

栗をお供え。

ススキの穂が首を傾げてる。


綺麗なお月さま。

そうだわ。

あの人に写真を撮って

スマホで送ってみようか。


既読付くのを待つ、わたし。


あっ、付いた。


「綺麗だね。そこのお月さまは変わってないね。

今、ゼミのみんなと飲み会なんだ。

そうだ、こっちのお月さまも送るね。」


送られてきたお月さま。

都会の眩しい灯りに

淀んだ空に

力無く、そこにいた。



「こっちのお月さまも、なかなかだろ?

これから、飲み会の続きなんだ。

じゃあ、おやすみ。」



そっか、もう、違って来ちゃったんだね。


雪うさぎは、ひとりで作るんだろな。


わたしが悪いんじゃない。

あの人もね。


こうやって、少しずつ、離れていくのね。




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