第11話 ハイジ

ハイジはクララが歩けるようになり

フランクフルトへ帰ったあと。




ハイジとクララは手紙のやりとりを続けてた。

クララはハイジに沢山の絵本も送ってくれた。


ハイジは山での生活を手紙に書いた。

ハイジは手紙を書くことで文字や言葉をどんどん覚えていった。


クララはハイジの手紙の文字や言葉の間違いに

ハイジらしいと笑いながら読んでいた。


何年か過ぎて

クララはハイジの山での話がまるで

絵本のお話のようだわと思うようになっていた。


ハイジの手紙には、都会の子供達には経験できない、いろんな事が書いてあるもの。


あぁ、ハイジ、あなたってすごいわ、すごいわ。


クララはハイジが絵本を作ったら、どんなにいいだろうと考えるようになっていった。


その頃、ハイジはおじいさんが病で亡くなり、

おじいさんのあとを継いで、山羊のお乳から

チーズを作り、パン屋の手伝いをしたりしていた。


ペーターはと言うと、ハイジのおじいさんから

木彫りを仕込まれ、手の込んだ飾り彫り家具を作れるようになっていた。

その出来栄えの良さで注文は殺到していた。

親方になり、弟子まで雇っていた。

ペーターはデリフリ村の娘に一目惚れして

結婚し、子供もふたり。


ハイジはクララに会いにフランクフルトへやって来た。

クララの結婚式にでるために。

式までの時間はたっぷりあったから

ふたりは色んな話をしたわ。


クララは思い切って、絵本の話をしてみた。

ハイジは、あはははって笑った。

クララは、真面目にハイジの絵本をね

私の子供達に読ませたいの。

ねっ、お願いハイジ。

と言った。


ハイジはクララのこのねっ、お願いハイジに弱かった。

わかったわ、やってみる。クララ手伝ってくれる?


もちろんよ。


でも、、。山に住んでいたいの。


大丈夫。山にいても絵本は作れるわ。

ハイジはたくさんの絵本を読んだでしょう?

あれを想像してみて。

山の話を絵本にするのよ。

それなら、どう?


うん。それならできそう。

わたし、やってみる!



ハイジの絵本はクララの協力もあって

出版された。


ハイジの豊かな想像力と実体験を元に

した絵本は人々を魅了した。


ハイジは今夜も満天の星空を眺めながら

もみの木とお喋りしながら

ペンを走らせている。










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