第5話 おさだちゃん。

私は呪いのビデオを観てしまった。


そして、今夜、このテレビから貞子が出てくるはず、。


私はテレビの前にある物を一式揃えて待つ。

時間だ。

家の電気が一切に消える。


テレビが砂の嵐となった井戸が、、。

来たわ、貞子。


貞子はテレビから出で来た。


はい、お待ちしてましたわ。

あのね、私を殺しに来たんでしょ?

それはさ、いいんだけどさ。

死ぬ前にやりたい事があんの。

それ、やらせてくれない?


ギギーー!


怒ってもダメよ。そんな自分勝手じゃ

この先困るわよ。

さあ、どーんすんのよ!


ギギ、、。


わかってくれたみたいね。

じゃあ、さだちゃんの変身ーー!

やりたかったのよね。

絶対、さだちゃん、美人だと思うのよ。


ギギ??


まず、髪型ね、ありぁ、黒髪艶々。羨ましい。

これをバッサリと。


ギギーー!ギギギギ!!


今はね、外はねボフが流行ってるのよ。

仕方ないじゃん!

ほら、見てよ。

かわいーいでしょ!


ギギぅーー、、。


あとはお顔ね。

まずはパックするわね。

この間に爪をやりましょ。

あれ?あっそうか、井戸から這い出そうとして爪が取れちゃったんだっけ?

心配ないさー!最近はつけ爪があんの。

どれにする?


ギ!


ピンク色の花びら付いてるやつね。

やだん、おとめーーー!

できたわよ、見て見て。


ギギウフン。


でしょう?

じゃあ、あとはお顔よ。

目が大きいわねぇ。これさ、コンプレックス?

何言ってんのよ。みんな大きな目になりたくて整形してんのよ。

色白だわ、シミひとつ無し。

これも井戸で暮らして紫外線から守られたせいね。

まずは血色を良くピンクのカラー下地をつけて

色白は生かしたいからピンクベージュの

リキッドファンデ。お粉はたいて。

アイシャドウはクリアのパレットがいいわね。

ピンクを中心にして、最後にラメ。

目力があるからアイライナーもマスカラも

バーガンディでいこう。

どう?


ギギン❤️


チークもピンクでほんのりと。

眉は平行より困り眉がいいわね。

ハイライト入れて、リップもティントの薄ピンクで。

ぎゃぼーーん‼️

白湯メイクが似合うーー!


ギギつ、ギギ‼️


別人でしょう?

ねぇ、せっかくだからさ、この服着てさ、

遊びに行こうよー。

みーんな振り返るわよ。


ギギ、、。


やだ、恥ずかしいって?

何言ってんの!

自分をアピールしなきゃ。

まだ若いんだからね。

いや、何歳なんだっけ?


ギギーノ!


決心したの?

じゃあ、夜の街へレッツゴーよ!


貞子は目的をすっかりぽんと忘れて

夜遊びに興じた。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る