第4話
だが,恋人には部屋に入ることを
拒絶されたうえに、過去のボクの
行いを非難されるというある種想定外の
事もあったわけだった。
「あなた、わたしに酷いことばかりして
出て行ったわけじゃない。それなのに、
こんな時だけアタマを下げるっていうのは
どうかと思うわけね」
ボクはもっともだと思った。
ボクが逆の立場でも部屋に入れたりなど
まかり間違ってもしなかっただろう。
「それじゃあ、こうしよう。ボクが土下座して
キミに詫びる。だから指紋を採取させてくれないか」
彼女は少し時間に苛立つようにしながら、答えを
待っているようだった。
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