第3話3日目
この日、午前中はとある食品加工会社の面接にでかけた。もう何十社も受けている僕はやけ気味であった。
志望動機を聞かれたので前の会社が倒産して、生きていくのに収入が必要なので応募しましたと正直に答えた。もう良いように自分をみせかけるのは至極面倒になっていた。
帰りにコンビニで発泡酒とおつまみ、から揚げ弁当を購入した。
レジの女性は小柄でかわいらしい感じの人だった。眼鏡の奥の潤んだ瞳が魅力的だ。それにコンビニの制服の上からでもかなりの大きさだと見てとれる胸元もいいな。こんな娘が彼女だったらなと無意味な妄想をする。
自宅に帰り、テレビをぼんやりと眺める。
二時間ドラマの再放送が流れていた。
僕はそのドラマの再放送をぼんやりと眺めながら、おつまみの煮干しをあの透明な粘液にあげてみる。
煮干しは透明な粘液に吸い込まれるとすっと消えて無くなる。
そのあと、プルプルと震える。
「どうだい、美味しいか?」
僕がそうきくとその透明な粘液はうれしそうにさらにプルプルと震える。
そうだ、この透明な粘液に名前をつけてあげよう。僕の勝手な思い込みかもしれないが、この透明な粘液は意志のようなものがある気がする。
名前は何にしようかな。
「そうだ、お前はスライムみたいだからスーラだ。よろしくなスーラ」
僕はその透明な粘液をスーラと名づけた。
スーラはうれしそうに水筒ごとその体をゆらした。
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