第2話2日目
ペットボトルに満タンとなったということはこの透明無色な粘液の体積は500ミリリットルということだ。
一晩で体積が約2倍になったということか。
それはなぜだろうか?
僕は考える。
もしかするとペットボトルにわずかに残るスポーツドリンクを吸収し、成長したのだろうか。
指でぷにぷにと押すと心地よく弾きかえす。
いい手触りだ。指のはらで撫でるとさらにプルプルと震える。僕にはこの粘液が喜んでいるように見えた。
冷蔵庫にある牛乳をコップに注ぎ、それを少しづつその粘液にたらす。
その粘液はまるで飲んでいるかのようにその透明な体を震わせている。
コップ一杯は注ぎ入れるとその粘液はひとまわり大きくなったような気がする。
僕は以前景品でもらった1リットルは入る水筒をキッチンの棚から引っ張りだしてきて、その粘液に飲み口をあてる。
その粘液は貝殻をみつけたヤドカリのように水筒に吸い込まれていく。どことなくうれしそうに見えた。
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