第4話 料理の先生
「料理の先生?」
そう
すると、レナードは少し考えた後、
「それ、僕でもいいかな」
(レナードさんは料理人なの?)
ネビュウは
「うん、色々な街のレストランを
(まぁ! それじゃあ世界中のお料理を知っているの?)
「世界中、とまでは行かないけど……たぶん、他の人よりは色んな種類の料理を作ったことがあるかな」
(お姉さま、すごいわ! これって
(そうかもしれないわね、だってこんなにたくさんの人がいるのに、
きゃあきゃあと
レナードは街にある
週に五日間、ネビュウたちの家で料理を教えること。
レナードと、里に暮らす
それに
「さっき会ったばかりなのに、本当に僕でいいの?」
(思いがけず飛び込んできた幸運はね、受け止めたほうがいいって決まっているの!)
(これでも
(それに、そういう心配ならむしろレナードさんのほうがするべきでなくて?)
「え? 僕?」
(そうよ、レナードさんはただの人間でしょう? わたしたち、魔女なのよ)
(信用して、平気?)
二人はわざと
「ぜひ、よろしくお願いします」
(決まりね!)
(さっそく
シスビーはポシェットから
どう考えてもポシェットよりもサイズの大きな羊皮紙の巻物が出てきたことに、レナードは驚きました。二人の持っているポシェットは小さく見えますが、手を
魔法のインクで書かれた文字は、ふるふると
(間違いがないか確認してもらえるかしら?)
差し出された羊皮紙に書かれた
そう、これは魔女の契約書。魔女が記入し、契約相手がその条件で間違いないと認めることで結ばれるものなのです。
今回の契約は
(うん、きちんと契約できてる。これでレナードさんはわたしたちの先生になったわ)
(よろしくね、先生!)
二人はレナードと
こうして、首なし魔女は料理の先生を見つけたのでした。
(先生はもうお仕事はしていないの?)
「先生はやめてくれ、レナードでいいよ。レストランは二日前に
(やっぱり運命ね!)
(それじゃあ今日はお
「うん、何かある?」
(お買い物に付き合ってほしいの)
「買い物?」
(えぇ、わたしたちのお
(だから調理器具も料理の材料なんかも、なーんにもないのよ!)
それを聞いてレナードは驚きました。料理に触れてこなかったと言う言葉が、文字通りの意味であることを
この二人に料理を教えるのは、
レナードは、幼い子どもたちを対象としたお料理教室だってやったことがありましたから、それと似たようなものだと思うことにしました。
「本当にゼロからのスタートなんだね」
(そうなの。薬を作るためのお
(トカゲとか、虫とか、そういうのも薬の材料になるから……)
「なるほど……それはちょっと
完全にゼロからのスタートというわけではなさそうだとレナードは思いました。食べ物・飲み物に関する
「まずは調理器具を買いに行こうか」
(そうしましょう!)
(楽しみだわ!)
(あ、レナードさまはお腹が空いたら言ってくださいね。わたしたち食事休憩がいらない身体なので……)
「そうか。うん、分かった」
こうして三人は、お買い物に
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