第2話 まずは台所を作ります
魔女として一人前になった二人は、お師匠様であるロフォーアに感謝の言葉を
木とレンガでできた可愛らしい家の
リビングには大きな木のテーブルにお
それもそのはず。この家を建てた時、すでに二人は食事を必要としない
だから、自分たちに不要な場所をあえて
(シスビー、お台所って……やっぱり造った方がいいかしら?)
(そうね……毎回ロフォーア様のお家にお
二人はちゃんと気付いていました。ロフォーアにとって、台所も調理器具も、食材だって今の
放置していたらダメになってしまうから使ってくれていいだなんて、そんな言い方をして、二人が
そんなロフォーアの優しさに甘えてばかりはいられません。なんと言っても、二人はもう一人前なのですから。
(やりましょう)
(そうね!)
そうと決まれば、まずはお片付け。家の中に散らかる物たちに、それぞれの居場所に戻ってもらいます。
この家にある物たちは、みんな最初に自分の居場所を与えられるのです。ネビュウとシスビーは、月に数回、彼らに『自分の居場所へお戻り』と魔法をかけてやるだけで、きっちりと
ネビュウの号令に従って、みんなが
(
(匂いがついたら
首なし姉妹は鼻がないのに、匂いが分かるのかと思いましたか?
実は、本当は二人は声を出してしゃべることもできるのです。その
肩からすらりと伸びる首には、お揃いのチョーカー。このチョーカーには、ロフォーアのとびきりの魔法がかけられているのです。なくなってしまった二人の
一人前になった二人でも未だ届かない
見る角度によって様々な色に変わるチョーカーからは、
だから二人は
二人は
(台所には、なにが必要なのかしら)
(火を起こす場所じゃない?)
(あぁ、そうね! 肉や魚を焼いたりするものね!)
(あとは……スープは
(天才だわ、きっとそうよ)
(あとはなにかしら……あ、材料を切ったりするところも必要なんじゃない?)
(
二人がイメージを口にする度に、台所ができる予定の場所のレンガや木が
(すごいすごい! とってもそれっぽいわ、お姉さま!)
(初めてにしてはいい感じじゃない?)
(ばっちりよ! あとはお料理を教えてくれる先生を見つけるだけね)
(そうね……そっちの方が大変そうだけれど……)
二人は一通りはしゃいだ後、肩を落としました。頑張るとは言ったものの、二人は首なしになってから一度も人間の街に行ったことがありません。
魔女の里から一番近い街では、人間だけでなく、
(わたし、またあなたの顔にお
(わたし、またお姉さまとお揃いの
(そのためにも、頑張らなくてはダメよね)
(そうよ、幸せな結婚をしなくっちゃ)
二人の魔女は
二人は魔女の修行の
だから床下に
引きこもり生活も、悪いことばかりではなかったのです。
二人はひとまず、思いついた器具の
(それじゃあ明日、さっそく行ってみましょうか)
(そうね、行ってみましょう)
(今日は、とっておきのバスソルトを使いましょう!)
(とっておきのスキンケアオイルも使いましょう!)
(とっておきのお香を
(とっておきのお花を顔にして
二人の魔女はそう言って、お風呂場や寝室に
そんな二人に、
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